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令和元年十月四日提出
質問第一号

小笠原諸島における中国漁船宝石サンゴ密漁による海底環境への悪影響に関する質問主意書

提出者  松原 仁




小笠原諸島における中国漁船宝石サンゴ密漁による海底環境への悪影響に関する質問主意書


 政府は、令和元年六月二十一日「衆議院議員松原仁君提出小笠原諸島における中国漁船宝石サンゴ密漁と海底環境の保全に関する質問に対する答弁書」(内閣衆質一九八第二一三号)において、「小笠原諸島周辺海域における御指摘の漁網片が、現時点で当該海域の環境に深刻な影響を及ぼしているとまでは考えておらず」と答弁した。
 一方において、小笠原村では、平成三十一年度中国船違法操業被害対策事業費補助金交付要綱に基づいて、小笠原島漁業協同組合及び小笠原母島漁業協同組合に対して、上限百万円の補助金を交付して中国船違法操業により被害を受けた漁場の回復と維持を図っている。
 水産庁が平成二十七年五月二十一日に公表した「平成二十六年度小笠原諸島周辺海域宝石サンゴ緊急対策事業報告書」にあるように、「中国サンゴ船による違法操業が多数確認された地点を含む」調査で、「宝石サンゴを含むサンゴ類が減少した可能性」や、「中国サンゴ船の違法操業によると思われる残存漁具や宝石サンゴの破損などの被害痕跡が確認され」ている。そして、環境省が公表した「平成二十四年度漂流・海底ごみ実態把握調査委託業務報告書」によると、「漁網やトラップは、本来魚等を大量に捕獲することを目的としている道具であるため、海洋中に漂流した場合、その漁具が本来対象とする種以外にも様々な生物を非意図的に羅網し、その生物を死亡させることもある。漁業者の管理を離れた逸失漁具によるこの現象は、ゴーストフィッシングと呼ばれ、魚類や甲殼類以外にも、カメ、海鳥、クジラ、アシカ等を含む多くの生物がゴーストフィッシングの犠牲になっている」との報告もなされている。
 そこで、次のとおり質問する。

一 残存漁具の影響について
 1 政府が、「現時点で当該海域の環境に深刻な影響を及ぼしているとまでは考えておらず」と答弁した前提として、「中国サンゴ船の違法操業によると思われる残存漁具」が、環境に深刻な影響を及ぼしているとまではいえないと結論付けた調査若しくは根拠資料が何であるかを明らかにされたい。
 2 政府が、「現時点で当該海域の環境に深刻な影響を及ぼしているとまでは考えておらず」と答弁した前提として、深刻な影響があるとはどのような影響が生じる場合かを明らかにされたい。
二 宝石サンゴ被害について
 小笠原諸島の生態系を違法な中国漁船の密漁被害から回復・保全することを、小笠原村に委ねることは、同島が世界自然遺産に登録され、世界的に自然環境の維持が期待されている地域であることから妥当とはいえない。そこで、政府が主導して、中国船による違法操業の被害を受けた漁場の回復と維持を図ることを積極的に行うことを検討する用意はあるか。
 
 右質問する。

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