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令和元年十月十一日提出
質問第二四号

英語民間試験は公平性が確保されていないため実施を延期すべきこと等に関する質問主意書

提出者  山井和則




英語民間試験は公平性が確保されていないため実施を延期すべきこと等に関する質問主意書


 政府は、二〇二〇年四月から、民間の英語資格・検定試験(以下、英語民間試験という。)を活用して、大学入試で英語の四技能を評価することを支援する「大学入試英語成績提供システム」の運営を開始しようとしています。
 そこで以下の通り、質問します。

一 英語民間試験に対しては、受験料が高く、対策の問題集や講座も高く、そのため低所得家庭の生徒に不利と、強く批判されています。政府は、英語民間試験の大学入試への導入が、低所得家庭の生徒に不利との認識はありますか。
二 受験料の軽減のためには、いくつかの英語民間試験業者が五パーセントや十五パーセントの軽減をすると発表していますが、全く不十分ではありませんか。政府の見解を示して下さい。
三 受験料の軽減をするかしないか、どれくらいの軽減をするかは、それぞれの英語民間試験業者に決定権がありますか。それとも文部科学省に決定権がありますか。もし英語民間試験業者が、受験料の軽減を全くしないと決定した場合、文部科学省は強制力を持って、軽減するように変更させることは可能ですか。
四 七種類の英語民間試験の中には、受験料が二万五千円、二回で合計五万円と高額な試験もあります。低所得家庭の生徒が二回で合計五万円もの受験料を払うことは困難ではないですか。政府の見解を示して下さい。
五 英語民間試験で良い成績を得るには、その試験業者が作成した対策問題集を買ったり、その業者の開く講座を受講したほうが有利となると考えられます。英語民間試験は、今まで以上に費用がかかるため、低所得家庭の生徒に不利、高所得家庭の生徒に有利ではないですか。
六 英語民間試験の会場は都市部が多いため、試験会場にアクセスするための交通費や宿泊費が高い地方や田舎の生徒に不利ではないですか。離島の生徒には、受験のための交通費や宿泊費の補助はありますか。もし、あるなら、それは離島の生徒の何割くらいが、いくらの補助を受けられますか。また、離島以外の地方に住む生徒には受験のための交通費や宿泊費の補助はありますか。
七 試験会場が遠く、また、交通費や宿泊費の補助を受けられない地方の生徒にとっては、英語民間試験は、都市部の生徒に比べて不利ではないですか。
八 一から七までで指摘したように、英語民間試験は、低所得家庭や地方の生徒に不利であり、高所得家庭の生徒や都市部の生徒に有利、との批判が強いですが、これは憲法第二十六条第一項「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」の理念に反し、憲法違反のおそれがあると考えますが、政府の見解を示して下さい。
九 英語民間試験は、受験者が希望した試験会場で受験することができますか。実際、申込み受付開始後二分で満席になった試験会場もあります。第一志望の試験会場で受験できる生徒は、何割くらいと想定していますか。過半数の生徒は第一志望の試験会場で受験できると想定していますか。
十 七種類の英語民間試験のうち、試験終了後に入試問題が公表される試験を明示して下さい。
十一 国立大学等での出題ミスの深刻な事案を受け、文部科学省は、二〇一九年六月四日に、全国の大学に入試問題と模範答案の公表を求めました。大学には入試問題の公表を求めている以上、同様に英語民間試験業者にも、問題の公表を文部科学省は求めていますか。もし求めていないなら、なぜ求めていないのですか。また、入試問題が公表されないなら、出題ミスも発見できないと考えるが、問題ではありませんか。政府の見解を示して下さい。
十二 英語民間試験の会場が高校になっている場合もあるが、その場合、高校教職員が事前や当日の準備や協力を求められたりすることはありませんか。高校教職員の土日出勤や業務が増えたら、労働時間が増え、働き方改革と矛盾、逆行するのではありませんか。
十三 英語民間試験の会場が高校になる場合、当該会場での受験申し込みの受付に際し、その高校の在校生を他校の高校生より優先して申し込みの受付を行ってもよいのですか。もしそれが禁止されないなら、当該高校に通学している生徒が有利になり、不公平ではありませんか。
十四 英語民間試験の受験を必須としていなくても、民間試験を受験したら、試験結果が点数化、加点される大学が多数あります。それならば、お金をかけ、民間試験を受験した生徒が有利となり、高校三年生になる前からお金を払い、何度も民間試験を受験した生徒が、試験に慣れて、高得点を得やすく、有利になりませんか。このような状況は、憲法第二十六条の教育機会の均等に反する憲法違反ではありませんか。
十五 英語民間試験会場で、視覚障害者や車椅子の障害者をはじめ、障害者が受験できるための配慮をすることについては、民間業者に責任があるのか、それとも文部科学省に責任がありますか。もし会場によって、障害者が受験できなくても、それが民間業者の最終判断であれば、文部科学省が強制力を持って障害者が利用できる会場に変更し、あるいは会場の設備等を改変させることは可能ですか。
十六 英語民間試験業者が試験実施場所として高校を確保する場合、当該高校に通学する受験生については、申し込みがあればすべて受験可能とする一方、当該高校以外に通学している受験生については、受験できるか否かが抽選により決まるのであれば、希望する会場で受験できるか否かという点で不公平が生じることは問題ではありませんか。政府の見解を示して下さい。
十七 以上述べたあまりにも多くの問題点があるので、英語民間試験の導入は、延期すべきではありませんか。政府の見解を示して下さい。

 右質問する。

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