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令和元年十月十八日提出
質問第四五号

東京オリンピックにおける熱中症対策と環境省発行の「夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン二〇一九」との整合性に関する質問主意書

提出者  初鹿明博




東京オリンピックにおける熱中症対策と環境省発行の「夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン二〇一九」との整合性に関する質問主意書


 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで一年を切りました。今年の夏、東京都と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会はテストイベントにおいて暑さ対策の試行を行いましたが、効果的な対策を見出せたとは思えません。
 近年の七月・八月の気温を考えると、競技に出場する選手、海外からの来訪者を含む観客、ボランティアを含むスタッフ等が熱中症で倒れることが無いよう暑さ対策に万全を期すことが求められています。
 そもそも、東京の真夏の気温が連日三十度を超えるようになったのは今に始まったことではなく、招致活動をしている頃から、猛暑の中での開催となり、熱中症対策が課題になることは分かり切っていたはずです。東京において、八月に熱中症で倒れる者を一人も出すことなく安全に開催する事自体に無理があるのではないかと思います。
 環境省がイベント主催者向けに発行している「夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン二〇一九」(以下「ガイドライン」という。)に暑さ指数に応じた注意事項等がまとめられております。ここで用いられている日本スポーツ協会による「熱中症予防運動指針」によると、暑さ指数二十八度から三十一度は「厳重警戒(激しい運動は中止)」、三十一度以上では「運動は原則中止」とされており、日本生気象学会による「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」では、二十八度以上で「すべての生活活動でおこる危険性」とされています。日本スポーツ協会の同指針においては、スポーツ現場では個人差や競技特性に配慮するとの注釈がありますが、観客やスタッフへの配慮も同時に行わなければならないことを考えると、少なくとも三十一度以上の時間帯に競技を行うべきではないと考えます。
 また、東京オリンピックの開催期間における本年の暑さ指数をみると、十七日間で暑さ指数が三十一度を超えない日は三日間しかなく、連日、日中は二十八度以上の時間帯で占められていました。
 つまり、東京オリンピックの期間中は、激しい運動を行うことが危険なのです。
 以下、政府の見解を伺います。

一 来年開催される東京オリンピックにおいて、このガイドラインに則った対応をすべきだと考えますが、政府の見解を伺います。
二 ガイドラインに則ると、日中はほぼ競技が出来ないことになりますが、それで大会日程を組みなおすことが出来るのでしょうか。変更の余地があるかも含めて政府として対応できるかどうかお答えください。
三 競技が開催される当日の暑さ指数の上昇状況によっては、競技の取りやめや延期の検討が必要になると考えますが、政府の見解を伺います。
四 オリンピック招致の際に作られた「立候補ファイル」の「二〇二〇年東京大会の理想的な日程」という項目に「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」と記載されています。近年の気温を見る限り東京の夏は「温暖」とは言えず、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮できる気候ではありません。招致を実現するために、明らかに事実とは異なる記載をしたと感じますが、政府の見解を伺います。
五 国際オリンピック委員会が、マラソンと競歩について選手の健康を第一に考え、札幌で開催することを決めたと報じられていますが、マラソンと競歩に出場する選手の健康だけを考えれば良い訳ではなく、他の競技に出場する選手、観客、ボランティアを含むスタッフ等全員の健康に配慮する必要があります。現状では、開催時期を変更する以外に東京で安全にそして安心してオリンピックを開催できるとは思えません。国際オリンピック委員会に開催時期の変更を求め、認めさせるべきだと考えますが政府の見解を伺います。

 右質問する。

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