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令和元年十一月一日提出
質問第六四号

認知症傾向のある受刑者に関する質問主意書

提出者  丸山穂高




認知症傾向のある受刑者に関する質問主意書


 全国の刑務所では、近年、六十五歳以上の高齢入所受刑者数が一貫して上昇しており、この高齢化に伴う問題が深刻化している。法務省矯正局が平成二十八年一月に公表した「認知症傾向のある受刑者の概数調査」では、刑事施設職員による改訂長谷川式簡易知能評価スケールの実施により、六十歳以上で認知症傾向のある受刑者はおよそ十四%で、全国におよそ千三百人いると推計している。この調査結果を受けて、平成三十年度から、大規模な刑事施設八庁において、認知症スクリーニング検査等が開始された。
 以下、認知症傾向のある受刑者について質問する。

一 認知症傾向のある受刑者と、認知症スクリーニング検査で該当した高齢受刑者はそれぞれ何名か。
二 認知症傾向のある受刑者を含め、身体介助を要する高齢受刑者に対して刑務官の個別の処遇時間や介助負荷が重いとの報道もあるが、これらの高齢受刑者への処遇に従事する刑務官の負担はどれほどになっているのか。また、全国の刑務所に介護資格者の職員の配置はどれほどか把握しているか。把握しているならば、その従事時間と配置人数を具体的に示されたい。
三 認知症傾向のある受刑者は、認知機能が更に衰えていくと、受刑することについての認識自体が失われてしまう場合もあり得ると考える。刑事施設には人的体制や予算上の制約があるため、認知症傾向のある受刑者への治療や処遇を刑事施設内で行うのは限度があり、症状の悪化を防げていないという話も聞く。認知症が進行した受刑者について、刑事訴訟法第四百八十条又は同法第四百八十二条に基づく刑の執行停止が行われた事実を政府として把握しているか。把握しているならば、過去五年間の件数等を具体的に示されたい。また、認知症が進行した受刑者については、刑事施設内で処遇するよりも、医師の認知症の診断と基礎的自治体である市町村の要介護認定を経て、介護対応の可能な更生保護施設や民間の介護施設に移行するべきではないか、政府の見解を問う。
四 高齢受刑者の再犯対策として特別調整制度による支援が行われているが、当該受刑者の同意が前提条件となっている。しかし、認知症により同意が行えず、特別調整の対象とならなければ、通常の出所となってしまい、福祉につなげられないことから、再犯を防げないことともなりかねない。出所後の受け入れ先確保を確実に行えるよう、認知症傾向のある受刑者については、例えば、刑事施設の長の職権で特別調整を進めることで、再犯防止につながるのではないか、政府の見解を問う。
五 認知症傾向のある受刑者や介助を要する高齢受刑者については、受刑者による介助も行われている。刑務所においては、介護職員初任者研修が職業訓練として導入されている施設もあるが、その実施結果をとりまとめているか。とりまとめているのであれば、研修を修了した出所者数、介護分野の協力雇用主の採用者数はそれぞれ何名か、詳細を伺いたい。

 右質問する。

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