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令和二年一月二十日提出質問第六号
刑事事件としては不起訴となった事件について民事裁判では被害が認定された場合の刑事と民事での判断の不整合に関する質問主意書
提出者 櫻井 周
刑事事件としては不起訴となった事件について民事裁判では被害が認定された場合の刑事と民事での判断の不整合に関する質問主意書
令和元年十二月十八日に東京地方裁判所は、女性ジャーナリストが元民放社員の男性記者に性的暴行を受けたと訴えた裁判で、性行為が女性ジャーナリストの意思に反して行われたことを認定し、男性記者に慰謝料などの賠償を命じる判決を下した。この事件をめぐっては、刑事手続きでは裁判所での審理を行わないまま検察が不起訴と判断した。一方で、民事訴訟において性的暴行が認定されて、賠償の請求が認められた。すなわち、一つの事件について刑事事件と民事訴訟では判断が正反対となる不整合が生じた。このような事態が生じていることを踏まえて、一般論として、以下、質問する。
一 刑事事件と民事訴訟では判断が正反対となる不整合が生じている問題について政府はどのような問題意識を持っているか。
二 刑事事件で検察が不起訴と判断した事件であっても民事訴訟で被害が認定された場合には、民事訴訟の中で認定された証拠に基づいて起訴すべきと考えるが政府の見解如何。
三 刑事事件について起訴する権限を検察が独占していることの正当性は検察が刑事事件を適切に扱っているとの国民からの信頼があってこそ成立するものである。裁判所が公開された民事訴訟で示した判断と検察が非公開で下した判断が異なると、検察への信頼が喪失し、検察が刑事事件を起訴する権限を独占していることの正当性が損なわれると考えるが政府の見解如何。
右質問する。