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令和二年四月六日提出
質問第一六一号

世界遺産に関する質問主意書

提出者  丸山穂高




世界遺産に関する質問主意書


 世界遺産は、千九百七十二年の第十七回国際連合教育科学文化機関(UNESCO)総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」の中で定義されており、現在世界全体で千百二十一件が登録されている。日本国内においては二十三件の登録があり、政府は遺産の保護・保全のために様々な取組を行っている。関連して、以下質問する。

一 世界遺産の登録後には観光客増加等、経済効果が発生する事例も多く、地域振興の期待も大きかったが、新型コロナウイルスによる影響が世界遺産観光についても懸念されている。
 世界遺産観光に対する新型コロナウイルス対策について、政府は何らかの検討を行っているか。検討している場合、具体的内容を回答されたい。
二 世界遺産の登録には、文化遺産に関しては国際記念物遺跡会議(ICOMOS)、自然遺産に関しては国際自然保護連合(IUCN)というUNESCOの諮問機関による評価が世界遺産委員会の場でも尊重され、登録の可否に大きく影響を与えている。このうち、ICOMOSによる調査については、調査に当たる専門家の出身国等背景となる文化の違いなどから、推薦国の意図する遺産の価値や精神性の十分な理解に至らず、登録の可否に影響を与えていると言われており、近年、評価を出す前の年から推薦国と対話し、改善点などを事前に伝えるよう手続の見直しが図られている。
 このような状況を踏まえ、政府は世界遺産登録を目指し暫定リストに記載している物件の積極的な説明を、ICOMOSやIUCNに対して行うべきと考えるが、政府が我が国の物件の登録に当たって行っている取組状況について具体的に回答されたい。
三 「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産のうち、端島炭坑(軍艦島)について、二千十五年の世界文化遺産への登録の際、韓国は第二次世界大戦中の徴用工と結び付けた登録反対運動を行ったものと承知している。韓国の行動は、我が国の重工業分野の近代化を約五十年という短期間で達成し、現在の国家の土台を構築したことの証明という本遺産群の持つ本質的価値とは関係のない徴用工を登録反対の理由としたものであり、世界遺産制度の政治利用であると考えるが、本件に関する一連の経緯及び政府の立場について具体的に説明されたい。
四 条約に基づく世界遺産事業等のほか、UNESCOは条約に基づかない「世界の記憶」事業も行っている。「世界の記憶」においては、二千十五年に中国が登録申請した「南京事件」に関する文書が登録されているが、申請した資料には事実と異なるものや不適切なものが含まれており、当時政府はUNESCO関係者に慎重な審査を求めていたものと承知している。
 このように、政治利用になりかねない案件を世界的に重要な記録物として登録することについて、日本政府としてUNESCOに対し、中立的な組織運営を行うよう働きかけを普段より行うべきと考えるが、政府はどのように考えるか。また、具体的な行動を起こしている場合、その内容はどのようなものか。回答されたい。
五 世界遺産に関する教育として、例えば小学校学習指導要領の社会(第六学年)では、世界遺産を取り上げることにより、我が国の歴史上の主な事象についての知識・技能を身に付けることとされている。
 我が国の歴史や文化への理解を深めるとともに、国際社会や自然環境について学ぶ機会として、世界遺産に関する学習をより促進する必要があると考えるが、政府の見解を回答されたい。

 右質問する。

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