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令和二年六月十二日提出
質問第二六三号

米空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)施設のための馬毛島周辺における海上ボーリング調査に関する質問主意書

提出者  田村貴昭




米空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)施設のための馬毛島周辺における海上ボーリング調査に関する質問主意書


 私は、政府が鹿児島県西之表市の馬毛島で整備を計画する米空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)施設をめぐる数々の問題点について、昨年二月二十七日の衆議院予算委員会第二分科会、十二月四日提出の質問主意書、本年二月十八日の衆議院予算委員会などで繰り返し政府の認識を質し、計画の中止・撤回を求めてきた。地元の頭越しに施設整備に向けた用地買収や設計業務を推し進めていることは断じて容認できない。そればかりか、今回、同島周辺で港湾施設の整備に向けた海上ボーリング調査の実施を計画していることが報じられた。
 以下質問する。

一 河野太郎防衛大臣は、本年二月十八日の衆議院予算委員会での私の質問に対し、二〇一九年三月に約三十五億円もの設計業務(「施設整備に係る検討業務(その一)」、「施設整備に係る検討業務(その二)」の二業務)を二〇一八年度の在日米軍等駐留関連諸費の予算流用によって委託していたことを認めた。地元への説明もなしに設計業務委託を行っていたことに、八板俊輔西之表市長が「施設整備について未だ決定がなされていない段階での国の対応は、甚だ遺憾である」「今後、信頼関係が築けるか不安をもたらすものであり、強く抗議する」との抗議文を防衛大臣に提出したのは当然である。
 防衛省は三月二十五日付の西之表市に対する回答書で、二つの委託業務は「施設整備に関する『調査』、施設の配置案の作成等を行う『基本検討』及び工事の実施に必要となる図面の作成等を行う『詳細検討』から構成」されているとした上で、「基本検討」を継続し、「いわゆる『設計』」が含まれる「詳細検討」については委託業務契約から除外すると説明している。
 1 防衛省が継続して行っている「基本検討」では、具体的にどのような業務を実施しているのか。設計には一般的に基本設計と実施設計があるが、「基本検討」とは基本設計のことを指すのではないのか。つまり、配置や規模、備えるべき機能など施設の概略・基本的方向性を定めるために実施するもので、設計業務の一部ではないのか。
 2 二〇一九年三月委託の二つの設計業務では、具体的にどのような業務を委託していたのか。西之表市長は「そもそも施設整備が可能かどうか判断するための調査中だと理解していたのに、事前説明なしに、設計まで実施しようとした契約は地元軽視である」と厳しく指摘した上で、「なぜこのような事案が発生したのか防衛大臣の見解を伺いたい」と述べている。地元への説明もなしに設計業務の発注に至った経緯と防衛大臣の認識を明らかにされたい。
 3 防衛省は、二〇一九年三月委託の二つの設計業務の他に、二〇一八年三月にも施設配置検討を行う業務(「施設整備に係る検討」)を三千八十九万円で委託している。これは具体的にどのような業務を委託したものか。設計業務の一部ではないのか。二〇一九年三月委託の設計業務との関係とあわせて明らかにされたい。
二 防衛省は五月、港湾施設の整備に向けた馬毛島周辺での海上ボーリング調査を七月中旬から来年三月末まで実施する意向を地元漁協に示したことが報じられた。調査地点として示された同島東海岸三十九カ所のうち三十カ所は、横瀬と呼ばれる漁場に集中している。報道によれば、種子島漁業協同組合理事会は、「基地整備計画の全体像が示されていない状況では、漁場への影響は測れない」との意見でまとまったとされている(南日本新聞二〇二〇年五月二十九日付)。
 1 FCLP施設や自衛隊施設等の基地整備計画の全体像を明らかにされたい。
 2 種子島漁業協同組合への説明資料においては、調査目的について、「地盤の状況を確認するため」と記載されているだけである。何のために地盤の状況を確認するのかを明らかにされたい。
 3 防衛省は「施設整備に係る検討業務(その一)」の特記仕様書において、港湾施設として、桟橋、浮桟橋、ドルフィン、護岸、防波堤、港湾付帯施設、浚渫の検討を行うとしている。護岸(係留施設)の長さと水深、防波堤の長さ、浚渫の深さと面積を示されたい。また、埋立地の造成は行うのか。
 4 計画する港湾施設は、どのような船舶の使用を想定したものか。調査位置図によれば、約一キロメートル四方の範囲に三十カ所の調査地点が集中しているが、海上自衛隊のおおすみ型輸送艦やいずも型護衛艦、米軍の強襲揚陸艦のような大型艦船が着岸できる港湾施設を検討しているのか。
 5 調査位置図の南側三地点は、他の調査地点から一定の距離があるが、何のために地盤状況を確認するのか。滑走路の進入灯を設置するための調査ではないか。
 6 調査位置図の北側六地点は、何のために地盤状況を確認するのか。
 7 馬毛島随一の漁場といわれる横瀬において、長期にわたる海上ボーリング調査を実施し、さらには港湾施設を整備することが漁場や漁に与える影響をどのように考えているのか。政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。

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