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令和二年六月十二日提出質問第二七六号
憲法第五十三条に基づく臨時国会召集に関する質問主意書
提出者 緑川貴士
憲法第五十三条に基づく臨時国会召集に関する質問主意書
日本国憲法第五十三条は「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」と定めている。同条に基づき、平成二十九年六月二十二日に衆参で四分の一以上の議員の連名で臨時国会の召集を求めたのに対し、安倍内閣が約三カ月の間、応じなかったことが違憲であるか問われた裁判が行われた。以下、質問する。
一 令和二年六月十日の那覇地裁の判決によれば、同条に基づく臨時国会の召集要求があった場合、内閣には召集するべき憲法上の義務があるとし、「単なる政治的義務にとどまるものではなく、法的義務であると解され、違憲と評価される余地はあるといえる。」と言及している。原告側が国に求めた損害賠償の訴え自体は退けたものの、同判決には、召集時期を遅らせたりして内閣が義務を怠れば、国会が内閣へのチェック機能を果たせなくなるおそれがあるという重要な指摘があった。同内閣は「高度に政治的な行為」を理由として、司法の審査の対象外であるとするが、違憲審査を形骸化させることにつながり、また召集要求に応じないことの理由にはならないと考えるが、見解を伺う。
二 新型コロナウイルス感染症が再拡大するリスクなどの不測の事態に備え、野党から臨時国会の召集を求める可能性がありうる。同判決をふまえ、同条文に基づく臨時国会の召集要求がある場合は、前回と異なる内閣の対応が求められると考えるが、見解を伺う。
右質問する。