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令和二年十一月二十七日提出
質問第六〇号

外国工作員による不正な帰化の取消に関する質問主意書

提出者  松原 仁




外国工作員による不正な帰化の取消に関する質問主意書


 対日有害活動を行う外国工作員が、国籍法が定める素行善良の要件を満たさないにもかかわらず虚偽の帰化許可申請をして我が国の国籍を不正に取得することが以前から行われてきた。昭和三十九年に大阪府警察が摘発した、いわゆる「寝屋川事件」では、兵庫県下の海岸から密入国した北朝鮮工作員朴基華が日本人と結婚して日本国籍を取得して二年以内に韓国に潜入するよう指示されていた。昭和四十九年に発生した「姉弟拉致容疑事案」で主犯として国際手配されている北朝鮮工作員洪寿惠こと木下陽子容疑者は、不正に帰化許可を得て日本国籍を取得していた。
 北朝鮮工作員は事件として報道されたものに限っても日本以外に韓国、フィリピン、レバノン、バングラデシュ、タイ、中国、キリバス、セーシェル、カンボジアの国籍を取得している。
 改正国籍法の議論の過程で昭和五十八年二月一日付の「国籍法改正に関する中間試案」の「第三 帰化の三」に「帰化の取消し」の項目が置かれ、「法務大臣は偽りその他重大な不正の手段により帰化の許可を得た者について、許可の後五年間に限り、その許可を取り消すことができる」とされ、事前の聴聞手続を置くことが注記されていた。諸外国の国籍法をみると、帰化処分の取消について明文の規定を置くものも少なくない(『逐条註解国籍法』)。
 詐欺等の申請者側の重大な不正行為によって帰化許可処分を受けたことが明白になった場合には、法務大臣がその処分を取り消すことができるか。

 右質問する。

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