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令和二年十二月一日提出質問第六六号
アンチドローン対策に関する質問主意書
提出者 柿沢未途
アンチドローン対策に関する質問主意書
ドローンの使用が世界的に急拡大する中で、各国政府がその使用規制や登録制度の整備を進めている。わが国においてもドローン(重量二百グラム以上)の所有者登録を義務化するための航空法改正が行われ、令和四年初めから運用開始される予定である。
一方で、犯罪や盗撮やスパイ行為や社会秩序の紊乱等の目的のために違法に飛ばされるドローンについて、各国政府の治安当局は対策を進めているところである。英国では不審なドローンの侵入によりガトウィック空港が三十六時間にわたり閉鎖を余儀なくされ、米国では軍用機が正体不明のドローンと空中で衝突しかけ回避行動を取る事態も発生しており、意図せざるものか故意かを問わず、このような「ならず者ドローン」(ローグ・ドローン)が治安や国防に与える影響も今や無視できなくなっている。
しかもテクノロジーの進展にともなって、このような事態の懸念は増していく一方だと考えられる。このため、各国政府および治安当局においては、このような「ならず者ドローン」への対策を強化しているところである。
そこでわが国の対策について以下質問する。
一 ドイツでは通信会社ドイツテレコムの基地局を利用して、違法・無許可で飛ばされたドローンを検知する探知網を構築する等のアンチドローン対策を進めている。このような取り組みはわが国において現時点で存在するか。具体的に示されたい。
二 わが国に立地している原子力発電所に対して害意を持ったドローンが飛来した場合に、それを検知し、その接近を防ぐための方策はあるのか。電力会社や立地自治体における対策の現状について政府が把握しているところを示されたい。
三 わが国の空港に対して害意を持ったドローンが飛来した場合に、それを検知し、その接近を防ぐための方策はあるのか。空港管理会社や航空当局における対策の現状について政府が把握しているところを示されたい。
四 自衛隊の基地や施設に対して害意を持ったドローンが飛来した場合に、それを検知し、その接近を防ぐための方策はあるのか。対策の現状を示されたい。
五 欧米諸国では、違法・無許可で飛行するドローンを無力化するために、当該ドローンに照準を当てて電波干渉により強制的に着陸させる装備として、「ジャミングガン」(電波銃)と呼ばれるものが実用化され、軍や治安当局等により使用されている。これらのジャミングガンの使用は国内において可能か。現にジャミングガンの無線局を開局しているのは何局あるか。
六 ジャミングガンの無線局の免許を申請する場合に必要な手続きはどのようなものになるか。具体的に示されたい。
七 原子力発電所の立地する都道府県の警察が、ジャミングガンの無線局免許を申請した場合、許可されるのか。
右質問する。