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令和三年六月九日提出
質問第一七一号

「子供」の表記に関する質問主意書

提出者  丸山穂高




「子供」の表記に関する質問主意書


 政府の公用文における「子供」の表記については、平成二十二年十一月の「公用文における漢字使用等について」(内閣訓令第一号)(以下「訓令」という。)により、常用漢字表に基づき、固有名詞、専門用語又は特殊用語を書き表す場合などを除いて基本的に「子供」が使用されている。
 平成二十五年八月三十日熊本日日新聞朝刊の記事によると、文部科学省は平成二十五年度に行われた省内の協議において、「子供」の表記について差別表現でないと結論を出して、常用漢字表に基づき「子供」に統一した旨を省内に周知している。しかしながら、全国の教育委員会では、文部科学省が従前使用してきた「子ども」「こども」の表記(以下「その他の表記」という。)が残り、学識者より教育行政及び教育現場での表記のあり方に関する指摘もなされている。文部科学省は、訓令がその他の表記を禁ずる趣旨のものではなく、「子供」を使うよう呼びかける考えはないとのことだが、この考えは差別表現ではないという見解とのずれがある。
 右を踏まえ、以下質問する。

一 平成二十二年十一月の訓令における「子供」の使用、及び文部科学省が平成二十五年度に行われた省内の協議において、「子供」の表記について差別表現でないと結論付けたことは、現在も有効か。
二 文部科学省は政府の一部であることから、当然政府全体として、「子供」の表記について差別表現でないという認識にあるということで間違いないか。
三 厚生労働省を含めた他省庁や地方公共団体においては、その他の表記が未だに公用文や組織名称等で用いられ、平成二十五年度の文部科学省内での周知以前のその他の表記もそのまま残っている。差別表現でないと文部科学省で見解を出しているにもかかわらず、同じ政府内でその他の表現を続けることで、表記による差別が存在しその為にその他の表記の使用を避けているとの誤解を与えかねない。このことから、訓令に反した状態にある公文書についてはその他の省庁や地方公共団体を含め「子供」に表記を統一させていく必要はないか、政府の見解を問う。
四 昭和二十五年の文部省用字用語例においては、「仮名書きが望ましいが、漢字書き、交ぜ書きも可」としており、文部科学省がその他の表記を用いてきたことに従い、他省庁や地方公共団体もその他の表記を使ってきた。この経緯を踏まえれば、「子供」の表記で統一したことは、その運用の前提が変わったことになる。文部科学省は運用の前提が変わり、「子供」の表記を使用している旨の通知を発出しなければならないのではないか、政府の見解を問う。
五 令和三年四月九日の衆議院内閣委員会において、坂本哲志内閣府特命担当大臣は、「子供」の表記について「世論の動向、こういったものを注視してまいりたい」と発言している。「子供」の表記が差別表現でないことを通知しなければ、「子供」の表記に関する世論の認識も差別表現との誤解が残るのではないか。どのようにこの誤解を解いていくのか、政府の見解を問う。
六 法令上の固有名詞について、報道される「こども庁」の創設提言に関する政府の取組を見る限り、その他の表記と漢字両方の記載が残ることは混乱を生じる。今後、新法制定及び改正法令において「子供」で統一し、混在を解消してはどうか、政府の見解を問う。

 右質問する。

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