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令和三年六月九日提出質問第一七七号
JA厚生連の運営する病院の役割を生かす政策についての質問主意書
提出者 青山大人
JA厚生連の運営する病院の役割を生かす政策についての質問主意書
JA厚生連(厚生農業協同組合連合会)の運営する病院(以下「厚生連病院」という。)は、地域医療の担い手という一定の社会的役割を務めている。
しかし、農業協同組合法の規制を受けるため、員外利用規制や、同法施行令及び同法施行規則に基づく固有の数式の固定比率規制を受けるなど、病院運営において、その沿革に由来する特有の課題を長年抱えている。特に固定比率規制については、他のJA(農業協同組合)組織事業と比べ厚生事業は固定資産の値が大きい傾向にあるため、建物老朽化対応の投資決断さえもしづらく、皺寄せが人件費に行きやすいという指摘もJA厚生連からなされている。
一方で、農協改革により員外利用規制等のない社会医療法人への転換という選択肢が与えられたものの、不採算医療の実施が要件になっている他、特別養護老人ホーム等の開設運営ができないなどの制約が生じる。
厚生連病院は公的三病院の中でも、人口の少ない地方自治体に多く存在し、今後、農村部では人口減少と高齢化が進むことが予想されるため、社会医療法人への転換という選択肢は、厚生連病院が医療機関不足に悩む地域医療を支える公的病院の役割を担っているという特質にそぐわない。つまり何ら課題を解決するものではなく、具体的議論が尽くされたとは言い難い。
さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の中、厚生連病院はコロナ患者の受け入れを行い、公立病院並みに最前線で地域医療に貢献している。同時に、そこでの医療従事者には相当な負荷がかかっている。にもかかわらず、一般診療機能の縮小、受診控え等から、今後病院経営が悪化した場合には人件費削減へとつながりかねない。
そこで、以下、質問する。
一 農村地域社会に根差した公的医療の担い手という厚生連病院の特徴を生かしつつ、その機能が弱体化しないよう、前述した特有の課題の緩和解消に向けての取組や財政支援策が必要と考えるが、政府の具体的取組や今後の対策の検討状況について伺う。
右質問する。