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令和三年十二月十四日提出
質問第一八号

オミクロン株出現を受けた水際対策に関する質問主意書

提出者  早稲田ゆき




オミクロン株出現を受けた水際対策に関する質問主意書


一 世界保健機関は、これまでも新型コロナウイルス対策としての海外渡航の一律制限に否定的な見解を示し、検査の拡充などを全世界に呼びかけているところ、世界保健機関で緊急事態対応を統括するライアン氏は十二月一日に、オミクロン株出現を受けた日本政府による全世界を対象とする外国人の入国禁止措置について、「ウイルスは国籍や滞在許可証を見るわけではなく、自国民か否かで判断するような対応は、公衆衛生上の観点からも論理的とは言えない」と批判したとの報道があるが事実か。政府として承知しているところを明らかにするとともに、この発言に対する政府の見解をあきらかにされたい。
二 国際連合のグテレス事務総長も同日、各国がとったアフリカ南部諸国からの入国規制を「渡航のアパルトヘイト」と強い表現で非難し、「国境を問わないウイルスには、一つの国や地域だけを隔離する渡航規制は不公正で懲罰的なだけでなく効果的でもない」として、各国に検査体制の拡充などの代替策を訴えたとの報道があるが事実か。政府として承知しているところを明らかにするとともに、この発言に対する政府の見解をあきらかにされたい。
三 水際対策における検査体制の拡充に関し、「抗原定量検査ではなく、精度の高いPCR検査を行うべき」との立憲民主党の泉健太代表の質問に対して、総理は「検査判明までの待機時間を短くする必要があることから、迅速に結果が判明しPCR検査と一致率が高い抗原定量検査が現時点では最も適している」と答弁している。
 1 神戸市健康科学研究所は「抗原定量法ではおおむね五百copyが検出限界」であって「ウイルス保有量が少ない患者を見逃す可能性」があるとの論文を国立感染症研究所の刊行物上で発表しているが、このことについて政府の見解をあきらかにされたい。
 2 PCR検査も技術の革新が進んでおり、一回の検査でオミクロン株の検出が可能で検査に要する時間も一・五時間と迅速なPCR検査キットが国内ですでに流通し使用されているにもかかわらず、なぜこのようなキットを空港検疫で使用しないのか。
四 オミクロン株出現を受けた水際対策において、政府は永住者及び日本人の配偶者等の在留資格を有して現に日本で暮らしている外国人住民に対して、特定国・地域へ今後出国した場合には、原則として再入国を認めないとしているが、韓国においては、外国人について長期滞在者と短期滞在者に区分し、長期滞在者については自国民同様の規制を行っていると承知している。欧米諸国において、自国民の配偶者で外国籍を持つ者に対して、自国民とは異なる再入国措置を、日本同様に採用している国はあるか。政府として承知しているところをあきらかにされたい。
五 外国籍の配偶者のほかにも、留学生や外国人技能実習生などが、特定国・地域へ親族を見舞うために今後出国すると、日本への再入国ができないとの声があがっている。水際対策の強化にあたっては、家族分離を引き起こさないという観点にも十分に留意し、日本社会の正当な構成員である外国人住民について、在留資格、居住実態に照らして、日本国籍を持つ者との間で再入国規制において差をつけないよう配慮すべきではないかと考えるが、政府の見解をあきらかにされたい。

 右質問する。

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