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令和四年一月二十七日提出
質問第八号

北朝鮮による日本人拉致問題の実際の規模に関する質問主意書

提出者  松原 仁




北朝鮮による日本人拉致問題の実際の規模に関する質問主意書


 法務省は、刑事政策として効果的な治安対策を考える場合、その前提として、犯罪の発生状況を正確に把握しておくことが必要不可欠として、警察等に認知されていない犯罪の件数(暗数)を含め、どのような犯罪が、実際どのくらい発生しているかという実態を調べる暗数調査を行っている。令和元年版犯罪白書によれば、性的事件の被害申告率は十四・三パーセントで、大多数が警察等に認知されていないことが分かっている。北朝鮮による日本人拉致問題においても、被害者救出のため、犯罪の発生状況を把握しておく必要がある。
 北朝鮮による日本人拉致は、多数の被害者が警察等に認知されていないことが、容易に推認できる。たとえば昭和五十五年に原敕晁さんが拉致されたいわゆる辛光洙事件で、犯人の北朝鮮工作員は、発覚を防ぐために身寄りがない日本人男性を狙うよう命令されていた。原さんが対象に選定されると、工作員らは架空の貿易会社の社長や専務、常務の役を演じるなど巧妙な手口で原さんを騙し、宮崎県の海岸まで誘導した。工作員が韓国で逮捕され犯行を自白していなければ、原さんは拉致の可能性を排除できない、いわゆる特定失踪者にもなっていなかった可能性が高い。また、昭和五十三年に曽我ひとみさんと曽我ミヨシさんが拉致されたいわゆる母娘拉致容疑事案は、暴力的に行われたものであり、詐欺による拉致よりも発覚する確率が格段に高いが、北朝鮮側が曽我ひとみさんの拉致を認めるまで、二人は拉致の可能性があると認識されていなかった。これらのことから、いわゆる認定被害者やいわゆる特定失踪者以外にも、多数の拉致被害者がいることは間違いない。
 右の点をふまえて、以下質問する。

一 北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律第二条の規定により、内閣総理大臣は北朝鮮当局によって拉致された日本国民として十七名の日本人を認定している。当該十七名が、政府が北朝鮮当局によって拉致された日本国民として認識している全てか。政府の認識を問う。
二 前項において、政府が北朝鮮当局によって拉致された日本国民が前項の十七名に限られないと認識しているのであれば、政府として北朝鮮当局によって拉致された日本国民の総数を何名と認識しているか。
三 北朝鮮による日本人拉致で、警察等に認知されていない件数(暗数)は、どの程度であると考えるか。政府の把握されているところを説明されたい。
四 いわゆる認定被害者以外に、いわゆる特定失踪者や警察等に認知されていない被害者が多数いるとの事実認識を、北朝鮮との交渉や、政府による拉致問題啓発活動の中核に据えるべきと考えるが、見解如何。

 右質問する。

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