質問本文情報
令和四年六月十日提出質問第一四二号
北朝鮮IT技術者による本邦における不法活動に関する質問主意書
提出者 松原 仁
北朝鮮IT技術者による本邦における不法活動に関する質問主意書
アメリカ合衆国の国務省、財務省及び連邦捜査局は本年五月十六日、北朝鮮のIT(情報技術)技術者数千人が、身分証明書偽造や名義借り等の巧妙な手口で外国人に成りすまして世界各国で不法にソフトウェア開発等を請け負い、多額の外貨を獲得して核・ミサイル開発に貢献しているとして、発注元が注意すべき事柄を詳述したガイダンスを発表した。当該ガイダンスは、発注元が制裁措置に違反した場合、最高で二十年の禁錮に処せられる可能性があると警告している。
同五月に神奈川県警察は、中国在住の北朝鮮籍のIT技術者が、神奈川県内に住む知人の韓国籍の男の名義を使って兵庫県が運用する防災アプリ「ひょうご防災ネット」の修正業務等を請け負い、報酬を国外に不正送金させていたとして、知人の男らを銀行法違反で摘発した。世界的にみても希少な摘発事例であり、関係者の労を多としたい。
国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号に基づいて設置された専門家パネルによる本年三月一日付の最終報告書は、北朝鮮がいわゆるサイバー攻撃による窃盗、詐欺及び情報窃取を広範に行っていると指摘した。前記ガイダンスは、不法に業務を受注した北朝鮮IT技術者が、その権限を利用していわゆるサイバー攻撃を幇助していると注意喚起する。
我が国では平成十七年、警視庁が在日本朝鮮人科学技術協会の幹部が経営するソフトウェア会社を家宅捜索した際、防衛庁(当時)の中距離地対空誘導弾研究に関する秘密資料が発見された事例がある。
北朝鮮IT技術者による不法な業務請負を防止することは、極めて重要であると考える。政府はいかなる対策を講じているか、具体的に説明されたい。
右質問する。