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令和四年八月三日提出
質問第四〇号

中国当局によるジェノサイドの内部資料に関する質問主意書

提出者  松原 仁




中国当局によるジェノサイドの内部資料に関する質問主意書


 中華人民共和国(中国)新疆ウイグル自治区における中国当局によるウイグル人へのジェノサイドや人道に対する罪に関して、数万件もの内部資料が流出し、日米欧の十四の報道機関が検証したうえで本年五月二十四日に報道した。そのなかには、新疆ウイグル自治区の中国共産党委員会書記として弾圧の責任者であった陳全国氏による、「特に海外からの帰国者は片っ端から捕らえるのだ。重大犯罪者の取り扱いに従い、まず手錠をかけ、覆面をかぶせろ」「拘束した人間が数歩でも逃げれば射殺せよ。逃げる者を射殺するのに何の問題があるのか。とっくに許可している」との命令や、「(習近平)総書記が私を新疆に送り込んだ理由は、新疆を平定して共産党中央指導部に差し出させるためだ」「習総書記を核心とする党中央を安心させよ」との習近平国家主席の関与を示唆する訓示等、録音に基づく発言記録が含まれる。
 アメリカ合衆国国務省のネッド・プライス報道官は本年五月二十四日の記者会見で、同内部資料について「衝撃を受けた」としたうえで、「中国によるウイグル人らへのジェノサイドや人道に対する罪は、新疆ウイグル自治区で現在も進行中だ」「この新たな報道は、中国による新疆ウイグル自治区での残虐行為を裏付けている証拠を、さらに補強するものだ」と厳しく非難した。
 英国のリズ・トラス外務大臣は本年五月二十四日、同内部資料を「衝撃的」としたうえで、新疆ウイグル自治区を訪問中だったミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官に完全かつ制限のない視察を許可するよう中国に求めた。
 ドイツ連邦共和国のアナレーナ・ベアボック外務大臣は本年五月二十四日、中国の王毅国務委員兼外交部長とのオンライン会談において、「新疆ウイグル自治区における非常に深刻な人権侵害に関する衝撃的な報道と新たな証拠」について「透明性のある調査」を求めた。
 それらを踏まえ、以下、質問する。

一 同内部資料について、政府はどのように評価するか。
二 ウイグル自治区の人権状況について、政府の認識如何。また、政府として、同自治区の人権状況を把握するために何らかの調査活動を行っているか。
三 中国当局は、ウイグル自治区において組織的かつ広範で深刻な人権侵害を行っていると思料するが、政府の見解如何。また、陳全国氏は、当該人権侵害を、習近平国家主席の指示又は承認のもと行われていると示唆しているが政府としてはどう考えているか。
四 中国当局によるウイグル自治区における組織的かつ広範で深刻な人権侵害は、国際法上の人道に対する罪を構成するか。政府の見解如何。

 右質問する。

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