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令和四年十一月十五日提出質問第二六号
葉梨法務大臣更迭にかかる岸田総理大臣の判断の遅れによる外交への悪影響に関する質問主意書
提出者 櫻井 周
葉梨法務大臣更迭にかかる岸田総理大臣の判断の遅れによる外交への悪影響に関する質問主意書
十一月十二日にはカンボジア・プノンペンにおいてASEAN+3(日中韓)首脳会議が、十五日にはインドネシア・バリ島において主要二十か国(G20)首脳会議が、十八日にはタイ・バンコクにおいてアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議が、それぞれ開催されるなど外交日程は決まっていた。
一方で、葉梨康弘法務大臣の「法務大臣は朝、死刑のハンコを押す。昼のニュースのトップになるのはそういうときだけという地味な役職」との問題発言は、十一月十日には明らかになっていた。しかし、十一月十一日の参議院本会議での立憲民主党の川田龍平議員の「葉梨大臣は、法務大臣としての資質を決定的に欠いています。即刻辞めるべきです。総理の見解をお聞きします」との質問に対して、岸田総理大臣は、「改めてその職責の重さを自覚し、説明責任を徹底的に果たしてもらわなければなりません。誤解を招くことがないように、発言はくれぐれも丁寧に慎重に行ってもらわなければならないと考えております」と答弁し、立憲民主党からの法務大臣更迭の提案を拒否した。
結局、この参議院本会議の後、岸田総理大臣は、葉梨法務大臣を事実上の更迭とした。この葉梨法務大臣更迭の判断が遅れたために、プノンペンへの出発が十時間も遅れることとなった。この結果、ASEAN+3(日中韓)首脳会議には間に合ったものの、その前に予定していたベトナム、ブルネイ、ラオスとの首脳会談は一旦、取りやめとなった。岸田総理大臣の判断の遅れが、外交に悪影響を及ぼすこととなったことから、以下、質問する。
一 なぜ、十一月十日の時点で葉梨法務大臣を更迭しなかったのか。死刑の最終決定を軽く扱っているとも受け取れるような発言をした葉梨法務大臣は、法務大臣として不適格であることは明らかであったはずだが、なぜ即座に更迭しなかったのか。
二 法務大臣は、旧統一教会問題での被害者の救済に関する法律の整備や行政サービス提供体制など大きな責任を果たすべき重要な役職であるが、短期間で更迭せざるをえない人物を法務大臣に任命したことの責任を岸田総理大臣はどのように果たすのか。
三 ベトナム、ブルネイ、ラオスとの首脳会談という貴重な機会を逃してしまったのは我が国にとって損失であるだけでなく、外交的には借りを作ってしまったことになる。この責任を岸田総理大臣はどのように取るのか。
四 岸田総理大臣に同行する政府職員も、十一月十二日の午前一時に羽田空港を出発し、到着は早朝の五時半であったことから、政府職員はほとんど徹夜で職務にあたることとなった。岸田総理大臣の判断の遅れが政府職員に多大なる負担となっていることについての責任を岸田総理大臣はどのように取るのか。
右質問する。