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令和五年十一月二十四日提出質問第七〇号
GIGAスクール構想の推進に関する質問主意書
提出者 原口一博
GIGAスクール構想の推進に関する質問主意書
政府が令和元年度より推進している「GIGAスクール構想」は、義務教育段階の一人一台端末と高速大容量の通信ネットワーク等を一体的に整備するものである。GIGAスクール構想については、当時の萩生田文部科学大臣から「多様な子供たちを誰一人取り残すことのない公正に個別最適化された学びや創造性を育む学びにも寄与するものであり、特別な支援が必要な子供たちの可能性も大きく広げるもの」であり、「これまでの我が国の百五十年に及ぶ教育実践の蓄積の上に、最先端のICT教育を取り入れ、これまでの実践とICTとのベストミックスを図っていくことにより、これからの学校教育は劇的に変わる」と力強いメッセージが出されている。
しかし、現実のGIGAスクール構想の推進においては、整備した教育ICT環境をいかに活用し、いかに目標を達成するのかというビジョンが見えない。令和四年度末時点で、ほぼ全ての児童生徒への一人一台端末の整備が完了しているものと承知している。子供たち一人ひとりは端末を手にしたことを喜び、政府もそれを喧伝しているが、先のメッセージの中において自ら「ICT環境の整備は手段であり目的ではない」としていたにもかかわらず、一人一台端末と高速ネットワーク等の整備が自己目的化しているように思われる。民主党政権時代に、私が示した「原口ビジョン」により提唱したフューチャースクールでは、子供たちが互いに教え合い学び合う「協働教育」の推進や子供たちの情報活用能力の向上という大きな目標を示していた。GIGAスクール構想の推進においてもその精神を受け継ぐことが必要だと考える。
これを踏まえ、次のとおり質問する。
一 GIGAスクール構想の推進によって、子供たちのどのような資質・能力を育成しようと考えているのか、政府の見解を伺う。
二 整備された教育ICT環境によって、子供たちの学びや資質・能力はどのように変化したのか、GIGAスクール構想の効果について、政府の見解を伺う。
三 整備された教育ICT環境を利用して、フューチャースクールで掲げられた「協働教育」の推進や子供たちの情報活用能力の向上を図るべきと考えるが、政府の見解を伺う。
右質問する。