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令和五年十二月四日提出質問第八七号
政党が行う予備選挙に関する質問主意書
提出者 守島 正
政党が行う予備選挙に関する質問主意書
衆議院議員選挙の小選挙区においては、定数が一であるため、候補者を擁立しようとする政党は、一名の候補者を立てるのが通常である。政党において複数の者から一名の候補者を選ぶ過程において、政党の判断が当該政党に期待する国民の意思から乖離してしまう可能性がある。このようなずれを生じさせないため、政党がいずれの者を候補者として擁立すべきなのかを、いわゆる予備選挙に付す選択肢を持つことは当然であると考える。また、複数政党が、いわゆる候補者調整により一名の候補者を擁立するに当たり、どの者を候補者として擁立するかを決定するのも、予備選挙の手法が妥当と考える国民も多いものと推察する。
しかし、公職選挙法においては、予備選挙を行うことは、その態様によっては、第百二十九条で禁止する事前運動や、第百三十八条の三で禁止する人気投票に該当すると判断される可能性があると承知しているが、具体的にどのような態様であれば適法に行うことができるのか、政府としての見解は明確には示されていない。
例えば、インターネットによる選挙運動は「文書図画」の頒布に当たるものとされており、かつては全面的に禁止されていたものの、有権者のより適切な判断及び投票行動に資するものであることから、現在は解禁された。このように、法律は、社会の変化に伴う国民の意識の変化に応じて改正すべきものであると考える。
予備選挙についても、現在の非常に曖昧な位置付けを正し、インターネット選挙運動が解禁されたことと同様に、有権者のより適切な判断及び投票行動に資するものとして積極的に評価し、必要に応じて法改正していくべきである。
これを踏まえ、以下質問する。
一 政党が候補者を選定するため、その党員や準党員による予備選挙を内部行為として行うことは、公職選挙法に違反するか。また、党員や準党員以外の者も含めた不特定多数による予備選挙を行うことは、公職選挙法に違反するか。なお、いずれもその過程や結果について公表するものとする。
二 政党が行う予備選挙において公職選挙法に違反する行為が明らかとなった場合、違法である以上、当然ながら厳正に処罰されるべきものであるが、これは国民の処罰感情に合致するものであるか。また、政党は、違法とされつつも、その予備選挙の結果について国民の意思に沿うものとして有効と扱ってよいか、政府の考えを問う。
三 マスコミ各社が行う、いずれの候補者に投票するかについての世論調査は、公職選挙法に違反するか。
四 一及び三で公職選挙法に違反するか否かに違いがあるならば、それは何故か。
五 社会の変化に伴う国民の意識の変化に応じて法律を改正する必要があるという考え方について、政府はどのように考えているか。また、政党による候補者選定の手段として予備選挙を行うことに疑義を生ぜしめている公職選挙法の規定について、改正の必要があると考えるか。
右質問する。