衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和五年十二月八日提出
質問第一三九号

大阪・関西万博に関する質問主意書

提出者  中谷一馬




大阪・関西万博に関する質問主意書


一 巨大イベントは巨額資金が動くからこそクリーン・フェア・オープンで開催されなければならず、大阪・関西万博においても直接経費・間接経費などの関連経費全般の概算がわからなければ、課題も成果も検証できない。
 そうした中、自見万博担当大臣は令和五年十月三十一日の参議院予算委員会において、関連経費の総額を尋ねられた際に「それぞれの省庁がこのコンセプトに合うものを内数として持ち寄ったものになっているので間接的な経費は算出困難。」と答弁されている。
 コンセプトに合うものを内数として持ち寄ったものを積算して、経費の総額及び直接経費と間接経費の概算を出すことがどうして難しいのか伺う。また現状においても、直接経費と間接経費の概算を把握していないという理解で構わないか、見解を伺う。
二 大阪・関西万博の支出として、会場建設費で二千三百五十億円、運営費などで八百九億円、パビリオン「日本館」の建設費・途上国の出展支援費用・警備費用などで八百三十七億円、直接経費として合計約四千百九十六億円の支出を見込んでいるが、乗数効果をどのように見込んでいるのか伺う。
三 会場建設費が二千三百五十億円になるということは、負担額としては大阪市民で言えば一人当たり約一万九千二百三十六円、一家四人なら約七万六千円の負担となる。これほどの額を負担してまで、市民の皆様が万博を開催したいと考えていると政府は認識しているのか、見解を伺う。
四 令和五年十一月八日の衆議院内閣委員会において、私(中谷一馬)からこれ以上の会場建設費の増額がないかどうか松野官房長官に尋ねた際、「今回の原因等は物価高騰等によるものでございます。それにおける見通しということもあったかと思いますけれども、今後はこういった要件の中で更に増額がないように、国としてしっかり管理させていただきます。」との答弁をいただいた。
 しかしながら、令和五年十一月二十七日参議院予算委員会において、岸田総理大臣から、「会場建設費」の二千三百五十億円とは別途、日本館の建設費があり国費負担が生じる旨の発言があり、また、西村経済産業大臣から、日本館の建設費として三百六十億円を見込んでいる旨の発言があった。
 一般的に考えて、「会場建設費」には当然日本館の建設費が含まれていると考えるが、どのような論理及び意思決定プロセスを経て、「会場建設費」から日本館の建設費を除外したのか、説明願う。
五 同予算委員会において、自見万博担当大臣から「会場建設費」の二千三百五十億円の他に八百三十七億円かかるとの説明があった。これに加えて、万博の関連インフラ整備費として千六百億円の国費負担が生じる旨の報道がされている。日を追うごとにどんどん国費負担額が増加しているが、今後もまだ増えていくのか、見解を伺う。
六 同予算委員会において、岸田総理大臣から、「経費も含めて国としてどのような負担が求められるのか、これを示すことは重要です。」との発言があったが、いつどのように示されるのか回答願う。
七 令和五年十一月十七日の衆議院内閣委員会において、私(中谷一馬)から「大阪・関西万博における定量的な指標、例えばKGI、重要目標達成指標であったりとか、KPI、重要評価指標であったりとか、あと、これらの定性的な指標になりますKSF、重要成功要因など、こういったものの詳細」について尋ねたところ、自見万博担当大臣から「二〇二〇年十二月に博覧会協会が策定をいたしました大阪・関西万博基本計画におきましては、来場予定者数につきまして約二千八百二十万人を想定するということですとか、あるいは、万博に参加する国、機関について百五十か国、二十五の国際機関を目指すといった定量的な数字をお示ししたところでございますが、それが達成されたか否かをもって、博覧会、万博の成功したかあるいは失敗したかといったものを判断するものではございません。」という定量的な指標を設けていないとの答弁をいただいている。
 政府の全事業を評価する「行政事業レビュー」においても、定量目標を記載することとなっており、行政事業であっても定量的な目標を設定することが原則となっていると考えている。そのような中、多額の税金を投入する大規模イベントにもかかわらず、大阪・関西万博において定量的な目標指標が必要ないと考えている理由について回答願う。
八 元内閣官房参与で、社会基盤システムの整備と運用などを扱う「土木工学」を専門とする京都大学の藤井聡教授は、本年七月、オンライン経済メディアにおいて、「今の計画を見る限り、交通と廃棄物処理が円滑に行えるとは到底思えません。」と述べている。一日平均約十六万人の参加者の約半分の運行をバスが担うとされているが、会場である夢洲へのバスでのアクセスは夢舞大橋及び夢咲トンネルに限定されている。加えて夢舞大橋はバス以外にも物流のトラックも運行するため、大きな負荷がかかることになることから、現状の道路交通計画では無理であると指摘している。
 経済効果の二兆円は、入場者予想の二千八百二十万人を前提として算出されているところであるが、これは実現可能であると考えているのか、見解を伺いたい。また難しいという判断があった際には、実現可能な来場者を算出し、それを基に改めて経済効果を算出すべきと考えるが、如何か。

 右質問する。

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.