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令和六年六月十三日提出
質問第一五〇号

高齢者が働きやすい環境を整備することに関する質問主意書

提出者  早稲田ゆき




高齢者が働きやすい環境を整備することに関する質問主意書


 働く高齢者が増えている中、高齢者が働く環境整備を進める必要がある。

一 六十五歳を超えて雇用継続される場合、介護保険料の徴収は医療保険料の一部として給与からの天引きのしくみから、年金からの天引きになる方が多い。しかし年金裁定に時間がかかる関係で、そのほとんどの方が一時的に納付書で納めなければならず、未納となりかねない。年金から天引きが開始される時点で、六十五歳になった月からの介護保険料が遡って天引きされるよう、しくみを改善するべきでないか。
二 労働災害の中で六十歳以上が占める割合は年々増え続け、三割近くとなっている一方、高齢の労働者から、「勤務先が認めないので労災保険の申請ができない」「加齢のせいだとされ労災認定されない」という相談が、弁護士や支援団体などに相次いで寄せられているとの報道があった。過労死など心疾患について高齢者向けの労災保険の認定基準を作るべきではないか。また事業主証明がなくても労災保険の請求はできることを、高齢労働者向けにもっと周知すべきではないか。
三 七十五歳になると、勤務先の健康保険組合や国民健康保険制度に居続けることができなくなり、後期高齢者医療保険制度に強制加入となるが、同制度では傷病手当金の支給は任意である。これまで国は、公衆衛生上の観点から、特例的に新型コロナウイルス感染症に限って、条例改正を促し補助を出して、全ての自治体で国民健康保険制度及び後期高齢者医療保険制度において、被用者に限り傷病手当金を支給できるようにした。しかしその特例は昨年五月に終了している。厚生労働省は、学生や年金生活者など、被用者ではない被保険者に不公平となると言っているが、新型コロナウイルス感染症に限らず、病気やケガのために仕事を休まざるを得なくなった時の傷病手当金制度は、とりわけ加齢とともに病気やケガのリスクが高まる意味で、働く高齢者には必要な制度であることは、学生や年金生活者など働いていない被保険者にも保険財政からの支給を理解していただけるのではないか。政府の見解をあきらかにされたい。
四 また同時に、個人事業主やフリーランスなど、被用者ではないが働いている国民健康保険制度及び後期高齢者医療保険制度の被保険者のうち、少なくとも労災保険の特別加入者に限っては、その給付基礎日額を準用することで、傷病手当金の算定が可能なのではないか。
五 定年退職後、短時間労働に従事して、いったん国民健康保険制度に加入してから後期高齢者医療保険制度に移行する方も多いことも踏まえ、高齢者の労働環境整備の観点から、国民健康保険制度と後期高齢者医療保険制度においても、まずは被用者について、傷病手当金の支給を保険者に義務付けるべきである。私は令和三年六月、さらに昨年十一月にも質問主意書を提出して、この主張を繰り返しているが、「様々な課題があると認識」などといった、まったくやる気のない答弁しか返ってきていない。本当にそれで高齢者の労働環境の整備に取り組んでいるといえるのか。この間も進む一方の少子高齢化を踏まえ、いい加減検討だけでも始めるべきではないか。そのための実態把握、具体的には例えば国民健康保険制度と後期高齢者医療保険制度において被用者について傷病手当金を支給するとしている条例を現時点で有している自治体がどのくらいあるのか、またコロナ禍が終わった現在において、全国でどれくらいの自治体が単独予算で個人事業主に傷病手当金や傷病見舞金を出しているか、そのような先進的な自治体が、それぞれどのような工夫をして金額を算定しているか、実態把握し、分析し、公表するべきではないか。

 右質問する。

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