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令和六年六月十八日提出
質問第二〇一号

クマ対策に関する質問主意書

提出者  緑川貴士




クマ対策に関する質問主意書


 全国のクマによる人身被害は令和五年度、二百十九件と過去最多となり、市街地や人家周辺においての被害が目立ち、令和六年の出没件数(一月から四月)も令和五年の同期間を上回るペースで増えている。

一 「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」第三十八条で禁止されている「住居集合地域等」における、麻酔銃を含む猟銃の使用について、人命にかかわる差し迫った状況であると警察官が判断してハンターに命令を出した場合に限り、「警察官職務執行法」に基づいてハンターは発砲することができるとしている。しかし、当該命令は緊急避難としての対応であり、たとえば、発令をためらったり、時間を要したりする場合が考えられ、当該警察官の、野生動物や猟銃に対する見識と判断等が人身被害発生の有無を多分に左右するリスクが生じている。
 また「住居集合地域等」であるが、現場の状況から安全に使用できると容易に判断されうる場合でも、猟銃が使用できずに事態の収束に時間がかかり、地域住民等が危険にさらされたケースがある。ハンター自身も命の危険にさらされており、ハンターの判断で使用できる範囲を拡大の必要性の一方、市街地等での捕獲に伴う事故等における責任の所在と指揮系統、役割分担等、体制整備の必要性について政府見解を求める。
二 一に関し、クマの出没が多い地域は猟友会と警察が連携を取りながら対応に当たるが、従来はクマの出没がほとんどなく、当該連携に不慣れな自治体への支援について、政府対応を求め、認識を問う。
三 銃刀法で規制が強化される猟銃の一種「ハーフライフル銃」について、獣類の被害防止への影響をふまえ、政府は特例を設けて対応するとしている。大型獣の捕獲を将来的に担う若手ハンターの育成が急務であり、高い技術を持った安全かつ優れた捕獲技術の習得等のためにも重要と考えるが、当該特例は通達で示される。国会の審議を要することなく行政で特例の改廃が可能であり、その結果によっては、人材育成を含めた鳥獣被害対策に支障が生じうる懸念がある。国会審議を通じ、法律の条文に盛り込むべきではないか。政府見解を求める。
四 クマが出没した際に出動するハンターに支払われる報酬額等は市町村ごとに大きく異なるほか、たとえば、クマを捕獲・駆除だけでなく、その後の運搬処理や解体、焼却処分等にかかる報酬を、全て一括で「日当」として支給する所と各業務に対し別々の報酬としている所もある。自治体の中には「日当額が低すぎる」と猟友会側が反発して、当該自治体からの出動要請を拒否した事例があり、当該自治体では猟友会が対応しない代わりに、警察や当該自治体職員、無報酬で協力しているハンターに出動を依頼して対応したという事例も聞くが、スムーズに警戒体制に移行できない間に地域住民等が危険にさらされるリスクや、無報酬のハンターの対応に問題が生じた際の法的責任等、報酬の自治体間格差から生じている諸課題に対する政府見解と対応を求める。
 
 右質問する。

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