質問本文情報
令和六年十二月十六日提出質問第六七号
消防団の訓練施設導入・処遇改善等に関する質問主意書
提出者 緑川貴士
消防団の訓練施設導入・処遇改善等に関する質問主意書
令和六年一月の能登半島地震では、被災現場までの道路が寸断されたこと等から、警察や消防の救助隊の到着に時間がかかったケースが多く、救助を待つ間に亡くなられた方も多いとされる。被害が広範囲に及ぶ大地震で救助の手がなかなか届かないおそれもある中で、地域に密着して活動する消防団の重要性が増している。以下、質問する。
一 消防団員の災害現場での活動経験は勤続年数、地域によっても差があり、団員の二次被害を防ぐための訓練が不可欠であるが、日本では訓練施設が十分に整備されておらず、本格的な救助訓練が困難であることが課題となっている。同訓練を全国の消防団で実施できるよう支援することに加え、全国の自治体の消防や警察など各地で活用を進めていく必要があると考える。政府見解を伺う。
二 令和四年からの出動報酬への考え方の変更や支給額の増額、財源措置の改善、関連する税制運用の見直しにより、消防団員の処遇改善が図られる一方、高齢化や人口減少等により、消防団員数は令和六年四月一日時点で、全国で七十四万人余りと、十年で十一万人余りが減少した他、三十九歳以下の団員でみた場合、三十年前は全体の七割を占めていたが、令和六年は約三十五%と半減している。在団継続が必要となっている事例が増えている実情をふまえ、団員のさらなる処遇改善が必要と考える。例えば、退職報償金の支給区分に「三十五年以上在職」の区分を新たに加え、相応額を支給するべきである。また消防訓練中に団員が物損事故を起こした場合の保険負担の軽減等を図る必要があるのではないか。さらに、団員の殉職事故が発生した場合の遺族補償年金については、殉職時の在職年数や階級に応じた額となっているが、他の類似制度では存命中の総所得に配慮した額を支給することとしており、同様の制度に見直すこと等、消防団員のより広範な処遇改善を進める必要があると考える。政府見解を伺う。
三 消防団員のうちの被雇用者の比率は約七割であり、企業等の雇用者側が消防団活動をどのように考えるかが、若年層の消防団員の確保に大きく影響している。消防団員を雇用している企業等は「消防団協力事業所」としての表示を当該企業等の事務所で掲げることとしている。一部の地方公共団体では、掲げた企業等で一定要件を満たす場合には税制上の特例措置を講じることで、若年団員数を確保している事例がある。同措置による財政負担の軽減を国としてはかり、同様の措置ができる地方公共団体を増やす必要があると考える。政府見解を伺う。
右質問する。