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令和六年十二月十七日提出質問第八七号
南西諸島に配備された陸上自衛隊の部隊と米海兵隊新部隊に関する質問主意書
提出者 屋良朝博
南西諸島に配備された陸上自衛隊の部隊と米海兵隊新部隊に関する質問主意書
南西諸島には陸上自衛隊(以下、「陸自」という。)の新たな駐屯地が開設され、新部隊が次々に配備されている。一方、二〇二三年、沖縄県に駐留する米海兵隊の連隊のひとつが改編され、新部隊になった。これら部隊の機能、及び有事での共同作戦に関し、以下の事項について質問する。
一 二〇一九年三月、鹿児島県奄美市及び瀬戸内町並びに沖縄県宮古島市に、二〇二三年三月に沖縄県石垣市にそれぞれ陸自駐屯地が開設され、陸自のミサイル部隊が配備された。二〇二四年三月には同県うるま市の勝連分屯地にも同様の部隊が配備された。それらの部隊は移動式の地対艦、もしくは地対空ミサイルを保有し、移動しながら敵艦、敵機に対応すると考えられるが、政府において配備の事実を明らかにされたい。
二 有事の際、陸自ミサイル部隊が駐屯地(分屯地)の外においてミサイルを発射した場合、発射地点が相手側からの攻撃目標になり、周辺の住民に被害が及ぶおそれはないのか、政府の見解を示されたい。
三 二〇二四年七月から八月にかけて、陸自西部方面総監部と米第三海兵機動展開部隊司令部による実動訓練「レゾリュート・ドラゴン24」が行われ、ミサイル部隊が置かれた陸自石垣駐屯地も使用された。有事において離島に配備された陸自部隊が米海兵隊とどのように連携し、いかなる活動を実施するのか、政府の見解を示されたい。
四 石垣駐屯地等で実施された「レゾリュート・ドラゴン24」において想定された陸自の「領域横断作戦」(CDO)及び米海兵隊の「機動展開前進基地作戦」(EABO)とは、どのようなものであるか、政府の見解を示されたい。
五 二〇二三年十一月十五日、沖縄県に駐留する米第三海兵師団の隷下に「第十二海兵沿岸連隊」(MLR)が発足した。二〇二〇年に発表された米海兵隊の新たな戦力構想「フォース・デザイン二〇三〇」に基づき、EABOを担うために従来の海兵連隊を改編したものであるとされる。政府は、MLRの沖縄への配備について、二〇二一年四月二十三日衆議院外務委員会において、米国政府より打診を受けた事実はないと答弁しているが、その後、同国政府より打診、もしくは通知、説明を受けたことはないか、詳細を示されたい。
六 EABO及びその作戦を担うとされるMLRの活動について、政府は、米国政府よりどのような説明を受けているか、詳細を示されたい。
七 政府は二〇二三年十一月十四日の参議院外交防衛委員会において、離島部へのミサイル部隊配備について「全体として国家としての抑止力を強化し、そもそも攻撃自体を抑止していく」と答弁している。また、「抑止力」の定義について、政府答弁書(二〇二〇年十月二日の内閣参質二〇二第二四号)において、「侵略を行えば耐え難い損害を被ることを明白に認識させることにより、侵略を思いとどまらせるという機能を果たすものであると解してきている。」としている。万一の有事の際には南西諸島に配備したミサイル部隊によって相手側に「耐え難い損害」を与える事を想定しているのか、政府の見解を示されたい。
八 危機的事態に備えるための離島における「国民保護計画」の作成及び実施は、基本的に地元自治体に委ねられているが、具体的な方策は進展していないのが現状であると言わざるを得ない。政府はどのような対策で臨む方針であるか、見解を示されたい。
右質問する。