質問本文情報
令和七年一月二十八日提出質問第二九号
拉致問題の解決に関する質問主意書
提出者 松原 仁
拉致問題の解決に関する質問主意書
昨年十二月九日付で拉致被害者田口八重子さんの御子息である飯塚耕一郎氏が石破総理に嘆願書を提出した。拉致被害者御家族が御高齢となる中で、政府側に何の行動も見えてこないという切羽詰まった心情を訴えておられる。この嘆願書によれば、石破総理は就任時の拉致被害者御家族との面談で「これまでの経緯などをもう一度検証、分析して最も有効な手立てを講じていく」と述べたとされる。また、島田洋一衆議院議員が本年一月八日のSNS投稿で「政府拉致対策本部が、首相の耳に被害者家族の率直な(厳しい)声を入れるのではなく、逆に首相の意向に配慮するよう家族会に求めるかのごとき動きが見える」と記している。これについては、飯塚氏の嘆願書が提出されたことにより、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会から政権批判が噴出することを抑えるため、拉致問題対策本部が御家族の口止めに乗り出した、との受止めもある。
そこでお尋ねする。
一 飯塚氏の嘆願書について
1 石破内閣は嘆願書についてどのように受け止めているのか。問題解決に向けた石破総理の決意も含めて御教示願いたい。
2 石破総理と拉致被害者御家族との面談から、すでに三か月経過しているが、この「検証・分析」作業は現在どのような状況にあるか。
3 2に関連して、もし「検証・分析」作業が終わっているのであれば、それらを御家族に御説明したのかどうかも含めて、検証結果の内容と石破総理の評価をそれぞれ御教示願いたい。
4 2に関連して「検証・分析」を踏まえた上での「最も有効な手立て」とは何か。特に、石破総理がかねてから主張しておられる「平壌連絡事務所」もその手立てに含まれるのか。
5 嘆願書に、「過日、対策本部関係者から総理や政権などへの批判や要望をとの質問を受け(中略)極めて困惑しました。」とあるが、この「対策本部関係者」とは誰か。また、ここに書いてあるとおり、政権発足直後で批判などしようもなく、「要望」云々については、御家族が肉親との再会を長年訴え続けてこられたことは日本国中が周知のはずである。この「関係者」はどのような意図でこのような質問を飯塚氏にしたのか。その意図を明らかにされたい。
二 昨年一月の金正恩国務委員長から岸田総理(当時)へのメッセージ、二月の金与正副部長による対日談話と、日朝関係で非常に前向きな兆しが見えていたが、三月になって突如、金与正氏が日本との交渉を拒否する旨の談話を発表した。この一連の動きについて石破総理はどのように分析または評価しているのか。
三 昨夏、横田めぐみさんの娘である「キム・ウンギョンさん訪日」という案が一部で噂されていたが、こうした構想に対して横田めぐみさんの御家族は当時も現在も明示的に強く反対している。石破総理はこの案についてどのようにお考えか。
四 島田衆議院議員のSNS投稿について
1 投稿内容について政府は承知しているのか、またその事実関係如何。
2 こうした話が出てくること自体、政府と御家族との間に信頼関係が成り立っていないのではないかと危惧される。拉致被害者の全員救出と拉致問題の解決については政府と被害者を含めた、いわゆる「オールジャパン体制」での取組が重要であると考えるが、これについて政府の見解如何。
右質問する。