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令和七年四月十四日提出質問第一四七号
相続税に関する質問主意書
提出者 松原 仁
相続税に関する質問主意書
日本における相続税の最高税率は五十五パーセントと、他国と比較して非常に高く、資産形成意欲を阻害し、経済活動にも悪影響を及ぼしているとの議論もある。
例えば、米国では相続税の最高税率は四十パーセントであり、さらに控除額が約千三百六十一万ドル(約二十億円)と高額であるため、多くの家庭が相続税の負担を免れている。ドイツでは相続税の最高税率は三十パーセント、フランスでも四十五パーセントであり、日本よりも低い水準にある。また、シンガポールやオーストラリアでは相続税自体が存在せず、資産の円滑な承継が可能となっている。
日本においても、高齢化が進み、資産承継の重要性が増している中、現行の高い相続税の税率が特に中小企業の事業承継などにも深刻な影響を与えている。相続税の負担が重すぎるため、事業を継続できず廃業に追い込まれる企業も少なくない。結果として、雇用の喪失や地域経済の衰退を招く要因となっていると考える。
そこで、次のとおり質問する。
一 日本の相続税の税率が他国と比較して極めて高い現状について、政府として、どのように認識しているか。
二 相続税の税率の引下げや基礎控除の引上げを検討する予定はあるか。
三 現行の法人版事業承継税制について、令和八年四月一日以降まで延長することを検討する予定はあるか。
四 自宅の相続などで課税対象に占める不動産の割合が多い相続人に対して、現状、延納の制度があると承知している。特に都市部の不動産価格が高騰する中、一時的に多額の相続税を課される場合の激変緩和措置として、延納以外に用意されている制度はあるかを示した上で、新たな措置の必要性について政府の認識如何。
五 相続税制度の見直しの必要性に関する政府の見解を示されたい。
右質問する。