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令和七年四月十六日提出
質問第一五〇号

社会保障分野における公定価格の地域区分に関する質問主意書

提出者  岡野純子




社会保障分野における公定価格の地域区分に関する質問主意書


 産業別に見て低賃金にあるいわゆるエッセンシャルワーカーの、人材確保・離職の防止のために処遇改善を行うことは重要であり、各自治体、事業者が様々な支援策を打ち出している。
 先般の検討の結果、令和七年度の改定が見送られることとなった案は、社会保障分野における公定価格の地域区分の改定において、市町村単位から都道府県単位と広域化するもので、とりわけ東京二十三区の隣接自治体に大きな負担が及ぶことが想定された。至近に高処遇の環境があれば人材がそちらを選択することは必至であり、地域区分に関する制度設計によって人材確保の公平性を欠く状態が生み出されたことで、一部自治体が疲弊しているのは従前からの課題であったが、先般の検討時に大括りにしようとしたことで、その不合理な差は拡大していくのではないかとの懸念が残ったと考える。
 交通網が発達しベッドタウンとして位置する首都圏の自治体は、事実上東京の経済圏に組み込まれており、私の地元である千葉県を例に挙げれば、千葉県は南北に長く、県内の各経済圏の間には給与水準等の面で大きな隔たりがある。また、浦安市・市川市など東京と隣接した自治体は、例えば浦安市の平均給与は東京二十三区で十一位の豊島区と十二位の江東区の間に位置するように、物価、地価、賃料、平均給与などを比較しても東京と同一の生活圏を構成していると考える。
 社会保障分野における公定価格の地域区分広域化の留意点について、広域化することで県内の市町村での不均衡の解消が図られる一方で、一部では県外の隣接する市町村との差が現行よりも拡大するという状況が見られると承知しているが、制度を変えようとするときはその狭間で改悪となってしまう対象への手当てを十分に行うべきであると考える。地域区分の見直しを行った場合、自治体によっては地域の実情を反映しないまま一方的な賃下げとなってますます人材確保が困難となり、東京一極集中が加速する懸念がある。また、特に東京都下において地域区分を高水準に一本化したことにより等級が大幅に跳ね上がる自治体や、賃金構造基本統計調査(当該地域住民の平均給与ではなく当該地域の民間給与)に準拠したことで、高賃金の企業を有する一部自治体が突出して高い等級になるなど、補正ルールも整合性を欠いていると考える。公定価格の在り方は、多くの働く人たちの、日々のモチベーション、労働への誇りにつながるものであり、また事業者の撤退・縮小に直接的な影響を与えるものであることを付言し、以下、政府に対し質問する。

一 公定価格の地域区分を市町村単位から都道府県単位へと広域化することで、社会保障分野のきめ細やかさが損なわれ、東京二十三区と隣接する自治体は人材確保や事業継承に直接的な打撃を受けることとなると考える。そのことへの受け止めと今後の改善策をそれぞれどのように考えるか。
二 介護分野は隣接地特別ルールが追加で設けられているが、保育分野ではそれらの手当てがなされていない。ベッドタウンだからこそ共働き子育て世帯が多い首都圏の自治体にとって、保育士確保が今以上に難しくなることは死活問題であると考える。
 1 政府はその点についてどのように考え、どのように改善を図るのか。
 2 地域区分の見直しによって影響を受ける地域への加算割合アップの方針はあるか。
 
 右質問する。

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