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令和七年六月六日提出
質問第二三四号

バス運転者不足に伴う路線バスの廃止・減便等に関する質問主意書

提出者  長友よしひろ




バス運転者不足に伴う路線バスの廃止・減便等に関する質問主意書


 近年、バス運転者の不足が深刻化し、路線バスの廃止や減便が全国的に進んでいる。路線バスは、地域住民の通勤、通学、通院などに欠かすことのできない重要な交通機関であり、また、観光客の二次交通の柱としての役割も担っていることから、廃止等により地域住民や観光客の生活や移動手段に深刻な影響を及ぼしている。この問題は、特に、地方における公共交通の維持や地域経済に直結する重要な課題であると考える。
 そこで、路線バスの廃止等の状況、バス運転者不足への対応状況等に関し、以下質問する。

一 路線バスの廃止等に対する効果的な取組を検討する上で、路線バスの廃止等の現状を正確に把握することが重要であると考える。
 1 令和七年版交通政策白書によると、路線バスの廃止キロは、令和五年度で二千四百九十六キロメートル、平成二十五年度以降では、計一万五千九百六十二キロメートルとなっている。平成二十五年度以降の路線バスの廃止キロ並びに廃止又は減便された路線数について、年度ごと、地方運輸局及び沖縄総合事務局ごとにそれぞれ可能な限り示されたい。
 2 道路運送法第十五条の二第一項及び同法施行規則第十五条の五第一項第五号の規定に基づき、路線の廃止等を行おうとする事業者が国土交通大臣に提出しなければならない事業計画変更事前届出書には路線の廃止等を必要とする理由を記載することとなっている。届出書に記載された主な廃止等の理由について示されたい。
 3 路線バスの廃止等の要因・背景について、政府としてどのように認識し、どのような施策を講じてきたか、政府の取組等をそれぞれ示された上で、これまでの施策の効果についてどのように評価しているか、政府の見解を伺う。
 4 路線バスの廃止等に伴う代替交通手段としてどのような手段が導入されているかを示された上で、代替交通手段の導入状況はどのようになっているか。
 5 今後の路線バスの廃止等の見通しについて、どのように認識しているか、政府の見解を伺う。
二 路線バスの廃止等の要因の一つとして、バス運転者不足が挙げられる。令和五年度における乗合バスと貸切バスの運転者数の合計は、約十一万人となっており、コロナ禍前までの水準に回復していない状況が続いていると承知している。
 また、公益社団法人日本バス協会は、令和四年度と同じ運輸規模を確保するのに必要な運転者の人数に比べ、令和十二年度には、三万六千人の運転者が不足するとの見通しを示していると承知している。
 1 現時点における運輸規模に対するバス運転者の必要就業者数は何人かを可能な限り示された上で、必要就業者数に比べ、現在どのくらいの運転者が不足していると認識しているか、政府の見解を伺う。
 2 バス運転者不足の主な要因について、どのように認識しているか、政府の見解を伺う。
 3 輸送需要の推移も考慮した上で、将来的にどのくらいのバス運転者が不足すると想定しているか、政府の見解を伺う。
三 令和六年四月から、バス運転者についても時間外労働の上限規制が適用され、長時間労働の見直しが図られる一方、これにより、これまでと同じバス運転者の人数では路線の維持が難しくなり、廃止等につながっているケースもあると考えられる。
 多くのバス事業者においては、バス運転者を確保するための取組として、労働環境改善に向けた運賃改定が進められているほか、持続可能な経営のために必要な生産性向上・利用者サービス向上に資するいわゆる交通DXの取組が進められていると承知している。
 1 バス運転者不足の解消に向け、国としてはどのような取組及び支援を行っているかそれぞれ示された上で、更なる人材確保に向け、どのような施策を講じるか、政府の今後の取組等について伺う。
 2 バス事業を経営する地方公共団体も含め、バス事業者においては、運転者の負担軽減等にも資するキャッシュレス決済の導入や、運行管理のデジタル化など、交通DXの取組が進められている。政府においては、交通DX・いわゆるGXによる経営改善支援事業等補助金により、DX等による経営改善に資する取組や人材確保のために行う取組等を行うバス事業者に対して財政支援を実施しているが、令和五年度の乗合バス事業者の収支状況によると、約七割の事業者が赤字となっており、厳しい経営状況にあることがうかがえる。路線バスの廃止等の状況を改善し、地域公共交通を維持するためにも、国による一層の支援が必要であると考えるが、更なる財政支援等の検討状況について伺う。
四 運転者不足対策の一つとして、自動運転技術の導入が期待されるところであるが、令和五年十二月二十六日に閣議決定されたデジタル田園都市国家構想総合戦略(二〇二三改訂版)において、「MaaS(Mobility as a Service)やATオンデマンド交通の活用、自動運転の活用場面の更なる拡大、キャッシュレス設備の導入、運行管理システムの導入など公共交通分野に係るデジタル化や先進技術の活用を一層進めるとともに、(中略)地域交通を「リ・デザイン」し、自家用車を持たない高齢者を始めとする地域住民の移動手段を確保することを可能とする」との取組方針の下、具体的な目標として「自動運転による地域交通を推進する観点から、関係府省庁が連携し、地域限定型の無人自動運転移動サービスを二〇二五年度目途に五十か所程度、二〇二七年度までに百か所以上で実現し、全国に展開・実装する」としている。
 1 かかる政府目標の下、特定条件下における完全自動運転であるレベル四の自動運転も「実証から実装」のフェーズに入ったと考えるが、全国におけるレベル四及び条件付自動運転であるレベル三以下の自動運転移動サービスの導入状況についてそれぞれ伺う。
 2 現下のバス運転者不足を踏まえ、今後の自動運転導入等に関する事項について
  ア 政府は無人自動運転として、現在レベル四の実装に取り組んでいるが、完全自動運転であるレベル五の実現に向けた取組状況及び課題についてそれぞれ伺う。
  イ 運転者不足に対して、将来的なレベル三以下の自動運転技術の進化に伴い、運転者の第二種運転免許要件の緩和が認められる可能性について、政府の見解を伺う。
 3 自動運転移動サービスの実装を進める上で、有人の路線バスや公共ライドシェア、いわゆるデマンド交通などとの役割分担をどのように考えているか、政府の見解を伺う。
 
 右質問する。

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