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令和七年六月十二日提出質問第二六五号
原爆投下に対する米国の公式謝罪を求めるべきことに関する質問主意書
提出者 松原 仁
原爆投下に対する米国の公式謝罪を求めるべきことに関する質問主意書
第二次世界大戦末期、アメリカ合衆国(米国)は広島市および長崎市に対し原子爆弾を投下した。これにより一瞬にして数十万人の尊い命が奪われ、生存者も被爆による後遺症や差別に長く苦しむこととなった。
これまで米国政府は、原爆投下について公式に謝罪することなく、「戦争終結を早めるために必要だった」とする見解を基本としている。しかし、戦後八十年を迎えた今、人道に対する普遍的価値観の観点からも、原爆使用という行為が国際人道法および戦時倫理の原則に照らして重大な問題をはらんでいることは明白であると考える。
特に、米国が同盟国として真に信頼に足るパートナーであることは明白であり、自らの歴史的行為に対し、被害を受けた市民に対して謝意と敬意を表すことができる国と考える。原爆投下は軍事施設ではなく、民間人が生活していた都市部に対する攻撃であり、戦争犯罪の観点からも検証されるべき事案である。
したがって、政府は同国政府に対し、原爆投下によって被害を受けた広島市民および長崎市民に対する公式な謝罪を表明するよう、外交ルートを通じて強く促すべきであると考える。
そこで、次のとおり質問する。
一 政府として、米国による広島および長崎への原爆投下について、いかなる歴史的評価を有しているか、明らかにされたい。
二 原爆投下により多数の民間人が即死あるいは後遺症により長期にわたり苦しんだことは、国際人道法に反する可能性があると考えるが、政府の見解如何。
三 米国政府はこれまで、原爆投下について一切の謝罪を行っていないが、被爆者やその遺族の心情、国際的道義の観点から、米国に対し公式な謝罪を促すべきと考えるが、政府の見解如何。
四 原爆投下に関する米国の加害性と日本の被害性に関して、歴史教育や国際発信においてその実相を日本国民や国際社会に対し正確に伝えるための方針があれば明らかにされたい。
右質問する。