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令和七年六月十三日提出質問第二七八号
沖縄県北部地域及び離島の交通網に関する質問主意書
提出者 屋良朝博
沖縄県北部地域及び離島の交通網に関する質問主意書
沖縄県における観光客数はコロナ禍以前の水準まで回復し、多くの観光客が沖縄県北部地域にある国営沖縄記念公園を訪れている。北部圏域の拠点となっている本部港は国際旅客船拠点形成港湾として整備が進められ、また、国頭村、大宜味村、東村の「やんばる」が「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」として世界自然遺産に登録されるとともに、二〇二五年七月には、新たな観光施設の開業も予定されており、今後も北部地域を訪れる観光客の増加が見込まれると考える。
一方で、軌道系公共交通が存在しない北部地域では、観光客は道路交通に頼らざるを得ず、交通量の増加に起因して、主要幹線道路において慢性的に渋滞が発生し、北部地域のリーディング産業である観光業だけでなく、住民生活や社会経済活動への大きなマイナス要因となっていると考える。
また、土砂崩れ等に対する防災対策の充実を図り、安全・安心な道路機能を拡充し、災害に強い道路ネットワークを確保することも喫緊の課題となっている。沖縄県北部地域における交通ネットワーク機能の確立は、住民福祉の向上、防災対策、産業振興を図る上で根幹をなすものであり、今後は、少子高齢化の進展により都市のコンパクト化が求められる中で、各都市機能の集約・分担を図る上からも、必要性がこれまで以上に高まることになると考える。
ついては、沖縄県北部地域及び離島が県土の自立的で均衡ある発展の一翼を担っていくため、政府に対し、次の事項について質問する。
一 道路の事業評価については、経済的な効率性に偏ることなく、救急医療のアクセス向上や災害時の安全・安心の確保、地域経済への波及効果など、直接効果だけでなく様々な効果について総合的に評価する仕組みを早期に導入する必要があると考えるが、政府の見解を伺う。
二 防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の期間終了後においても、近年多発する災害状況も考慮しつつ、切れ目なく、継続的・安定的に国土強靱化の取組を進めるため、国土強靱化実施中期計画を早期に策定し、当該計画に基づく事業の実施に必要な予算を確保する必要があると考えるが、政府の見解を伺う。
三 沖縄経済を支えるため、公共事業に関する予算について、資材費や労務費の上昇も加味した上で必要な予算を確保する必要があると考えるが、政府の見解を伺う。
四 二〇二三年台風第六号の影響により、長時間にわたり停電が発生したことを踏まえ、台風の被災頻度が高く、他地域からの支援を受けることが困難な離島地域をはじめ県内全域における安定的な電力供給網等の確保、災害時の緊急輸送道路等の安全性の確保及びリゾート地にふさわしい良好な景観形成等を図るため、無電柱化の推進及び観光振興を目的に道路の緑化を推進する必要があると考えるが、政府の見解を伺う。
五 沖縄離島無電柱化緊急対策事業費補助金の対象となる事業について、離島だけでなく、沖縄県北部地域も追加する必要があると考えるが、政府の見解を伺う。
六 激甚化・頻発化する大規模自然災害の脅威・危機に即応するため、内閣府沖縄総合事務局開発建設部の体制の充実・強化や災害対応に必要となる資機材の更なる確保が必要であると考えるが、政府の見解を伺う。
右質問する。