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令和七年六月十三日提出質問第二七九号
沖縄県八重山地域における石油製品価格の公正性調査及び格差是正に関する質問主意書
提出者 屋良朝博
沖縄県八重山地域における石油製品価格の公正性調査及び格差是正に関する質問主意書
沖縄県では、一九七二年の本土復帰に際して、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律に基づく揮発油税及び地方揮発油税の軽減措置が講じられ、県内で流通するガソリンに課税される揮発油税及び地方揮発油税については、本土における税率に比べて千リットル当たり七千円が軽減されている。
加えて、沖縄県では、東西約千キロメートル、南北約四百キロメートルにわたる広大な海域に多数の島々が散在し、沖縄本島と離島の間において多額の輸送コストを要する点に鑑み、揮発油税及び地方揮発油税の軽減措置を前提として、県が法定外普通税として千リットル当たり千五百円の石油価格調整税を課税し、その税収を財源として県内離島への輸送経費を補助する石油製品輸送等補助事業を実施している。
さらに、沖縄県では、全国的な燃料価格の高騰を抑制するために政府が実施している燃料油価格激変緩和対策事業も展開されている。
八重山広域市町村圏事務組合議会によれば、二〇二四年度のレギュラーガソリンの一リットル当たりの平均価格は、沖縄本島が百六十九・八九円、八重山地域が二百九・六七円であり、八重山地域のガソリン価格は、沖縄本島に比べ、一リットル当たり三十九・七八円、二十三・四パーセント高い水準にある。政府及び沖縄県は県内の石油製品価格を抑制するための様々な施策を講じ、とりわけ、石油製品輸送等補助事業では輸送に要する経費等のほぼ全額が補助されているにもかかわらず、沖縄本島と八重山地域の石油製品価格の差は依然として大きく、こうした税制優遇措置や補助金による効果が最終的な消費者価格に十分に反映されているとは言えない状況が続いている。こうした価格差が流通コストの増大によるものなのか、特定の事業者による市場支配的な取引慣行によるものなのか、その要因を明確にし、格差を是正するための新たな負担軽減策を速やかに実施する必要があると考える。以上の問題意識の下、質問する。
一 八重山地域における石油製品の流通状況や石油流通に関わる事業者の競争環境について調査・分析の実施の有無を示された上で、実施している場合はその結果を示されたい。仮に実施していない場合は、直ちに実施すべきと考えるが政府の見解を示されたい。
二 八重山地域における石油流通に関わる事業者による不当な価格操作や競争制限的な行為が行われているか否かの検証の実施の有無を示された上で、沖縄本島と八重山地域の石油製品価格の差に鑑み、いわゆる独占禁止法違反への該当性を直ちに調査すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
三 揮発油税及び地方揮発油税の軽減措置、石油製品輸送等補助事業及び燃料油価格激変緩和対策事業による税制優遇措置や補助金による価格低減効果が石油製品の小売価格に適切に反映されているか否かの検証の実施の有無を示された上で、これらの税制優遇や補助金による価格低減効果が限定的と認められる場合には、その要因をどのように認識しているか、政府の見解を示されたい。
四 離島は四方を海で囲まれ、他の地域に比較して厳しい自然的社会的条件の下にあるが、本土にはないような豊かな自然環境や昔ながらの独自の文化を育み、加えて、領域、排他的経済水域等の保全、海洋資源の利用、多様な文化の継承、自然環境の保全、自然との触れ合いの場及び機会の提供、食料の安定的な供給等、我が国及び国民の利益の保護及び増進に重要な役割を担っている。こうした点に鑑み、離島振興の観点から、八重山地域のみならず全国の離島において、住民の生活基盤を支える石油製品価格の水準は本土並みとすべきであり、現状以上の更なる施策の充実が求められると考える。政府には離島における石油製品価格の水準を更に抑制し、離島に暮らす住民の生活負担を軽減するための施策の強化を求めるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。