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令和七年六月十三日提出
質問第二八三号

保育士配置基準の見直し、公定価格の引上げ及び障害児保育に関する質問主意書

提出者  屋良朝博




保育士配置基準の見直し、公定価格の引上げ及び障害児保育に関する質問主意書


 こども家庭庁が二〇二四年十二月二十日に公表した、保育政策の新たな方向性には、持続可能で質の高い保育を通じたこどもまんなか社会の実現へという副題が付いている。保育現場の実態を踏まえると、「持続可能で質の高い保育を通じたこどもまんなか社会の実現」のために解決すべき課題が山積していると考えるところ、次の事項について質問する。

一 保育政策の新たな方向性において、四・五歳児、三歳児の職員配置基準の改善を進めるとともに、一歳児の職員配置基準の改善についても早期に進めることが求められるとしている。二〇二四年十二月二十七日付で受領した答弁書(内閣衆質二一六第八五号)においては、一歳児の職員配置基準の改善が実現する具体的な時期について、「具体的な改善方法について、令和七年度予算編成過程において検討し、現在、最終的な調整を行っているところであり、予断をもってお答えすることは差し控えたい」との答弁が得られたところである。令和七年度予算において一歳児配置改善加算が措置されたが、加速化プラン期間中の早期に改善を進めるとされている一歳児の職員配置基準の改善の具体的な実施時期については、今もなお明らかにされていないと承知している。
 1 現時点における一歳児の職員配置基準の改善に係る政府の検討状況及び実施される具体的な時期についてそれぞれ示されたい。
 2 〇歳児、二歳児、三歳児及び四・五歳児の職員配置基準の改善についても、「従前の基準により運営することも妨げない」としている三歳児及び四・五歳児の配置改善に係る経過措置の取扱いも含め、政府の検討状況及び実施される具体的な時期についてそれぞれ示されたい。
二 子どもの命を預かるという職責の重大性や、保育士に必要とされる専門性に鑑みれば、現状の保育士の処遇は十分とは言い難い。また、慢性的な保育士不足の解消や保育の質の改善を図る観点からも、保育士の処遇改善は急務であると考える。
 1 「令和六年度における私立保育所の運営に要する費用について」によると、二〇二四年度保育所職員の本俸基準額及び特殊業務手当基準額の格付は、所長が一般職の職員の給与に関する法律に定める福祉職俸給表二級三十三号俸、主任保育士が福祉職俸給表二級十七号俸、保育士が福祉職俸給表一級二十九号俸とされている。このような格付としている理由をそれぞれ示された上で、所長、主任保育士及び保育士の職責に鑑みて、これらの格付を大幅に格上げする必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
 2 保育所における保育時間は一日につき八時間を原則としている一方で、保育標準時間認定の子どもを受け入れる施設については十一時間開所が想定されていることから、いわゆる早番・遅番等のシフト制により対応している保育施設が一般的である。しかし、保育士の人手不足により、時間外労働が前提となっている施設もある。政府としても、保育士の休憩時間を確保する観点や長時間開所に対応する観点から、配置基準上の人数を超えて常勤保育士を一人加配する等の対応をしていると承知しているが、これは、あくまで園児との直接処遇時間に対する手当に過ぎず、準備、計画、記録等の事務に要する時間についての手当は不十分であり、多くの保育士が時間外労働を強いられているのが現状である。このような現状を踏まえて、保育士の実際の勤務実態を考慮した形で公定価格上の措置を講ずるべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
三 政府は、社会福祉施設職員等退職手当共済制度に関して、保育所等に対する公費助成を一旦継続しつつ、その在り方については、他の経営主体とのいわゆるイコールフッティングの観点及びこども未来戦略(こども・子育て支援加速化プラン)に基づく保育人材確保の状況等を踏まえて、さらに検討を加え、二〇二六年度までに改めて結論を得ることとしている。保育人材確保は大変重要な課題であるとの認識に立つのであれば、今後も公費助成の廃止という結論に至ることはないと考えるが、政府の見解を示されたい。
四 三歳以上児の副食費について、幼児教育・保育の無償化に当たり、公定価格から外して実費徴収をする方針となり、今に至るものと承知している。適切な給食の実施が保育の充実には不可欠であり、保育と給食は不可分の関係にあることから、副食費については、実費徴収をやめ、公定価格に含めて保障すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
五 保育所における障害児保育に要する経費については、地方交付税として措置されている。
 1 障害児を受け入れる特定地域型保育事業所(居宅訪問型保育を行う事業所を除く。)においては、障害児保育加算として、障害児二人につき、保育士一人を配置するために必要な経費を負担するものとされているが、保育所を始めとする特定教育・保育施設は加算対象外となっている。特定教育・保育施設において障害児を受け入れる場合には、地方交付税措置により対応することとしている理由を示されたい。
 2 地方交付税は地方公共団体の固有の財源とされていることから、地方交付税措置で対応した場合には、財政支援が保育の現場まで届くとは限らない。障害児保育に要する経費については、各保育施設が確実に支援を受けられるよう、地方交付税以外で措置をすべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
 
 右質問する。

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