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令和七年六月十七日提出質問第三四四号
羽田空港ビル利益供与問題に関する質問主意書
提出者 城井 崇
羽田空港ビル利益供与問題に関する質問主意書
本年四月に、羽田空港ターミナルビルを運営する日本空港ビルデング株式会社の子会社が、ビル内で営む事業をめぐり、国税庁から業務実態がないと認定されたコンサルティング会社に対して、利益供与する目的で取引を行っていたことが明らかになった。日本空港ビルデング社の特別調査委員会の調査結果を公表する記者会見によれば、利益供与は十年間で四億円との説明があったとされている。利益供与は国税庁の指摘後も続いていたということで、極めて悪質性が高いと考えられる。日本空港ビルデング社は、空港法に基づいて国土交通大臣が羽田空港の空港機能施設事業者に指定している会社であり、国民の財産である国有地で空港施設を独占的に運営する、公共性の高い企業であることから、看過することはできない。そこで、羽田空港ビル利益供与問題に関して、以下質問する。
一 日本空港ビルデング社の不当利益供与については、日本空港ビルデング社特別調査委員会による内部調査の結果が公表されているのみである。日本空港ビルデング社は、空港法に基づいて国土交通大臣が羽田空港の空港機能施設事業者に指定している会社であることから、独立性の高い、説得力のある調査が求められる。政府は、空港法による監督命令、指定取消を念頭において、主体的な調査を行い、その調査結果を公表するべきと考える。政府の認識と具体的な取組について明らかにされたい。
二 国土交通省の説明によると、空港機能施設事業者等におけるコンプライアンス遵守状況の自己点検を実施しているとのことである。具体的には、本年五月十九日に、全国の指定空港機能施設事業者等に対し、「今回の事案で取り上げられた企業との取引の有無とその適正性」、「コンプライアンスに反する不適切な利益等の有無」を自己点検し、その結果を六月十六日までに国土交通省に報告するように要請したということである。行われているのは空港機能施設事業者等による自己点検のみである。空港機能施設事業者は、空港法に基づいて国土交通大臣が指定していることから、独立性の高い、説得力のある調査が求められる。政府は、主体的な調査を行い、その調査結果を公表するべきと考える。政府の認識と具体的な取組について明らかにされたい。
三 国土交通省は、鉄道、物流、自動車、海事、港湾、観光などの所管事業における、「今回の事案で取り上げられた企業との取引の有無とその適正性」、「コンプライアンスに反する不適切な利益等の有無」などについて、確認をしているか。政府として主体的な調査を行い、その調査結果を公表するべきと考える。政府の認識と具体的な取組について明らかにされたい。
右質問する。