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令和七年八月一日提出質問第五号
大阪・関西万博海外パビリオン建設工事請負代金未払い問題に関する質問主意書
提出者 櫻井 周
大阪・関西万博海外パビリオン建設工事請負代金未払い問題に関する質問主意書
二〇二五年日本国際博覧会(以下、「大阪・関西万博」という)会場内の海外パビリオンの建設工事の請負代金(以下、「工事代金」という)の未払いが発生している。工事代金の支払いの問題は、基本的には契約上の債権債務に関することであり当事者間による解決が原則とされる一方、大阪・関西万博は、政府、大阪府、大阪市および博覧会協会が主導して進めているものであり、石破茂内閣総理大臣も本年一月二十四日の施政方針演説で大阪・関西万博について「政府として最大限の力を尽くします」と述べていることから、この工事代金未払い問題について無関係ではありえない。そこで以下のとおり質問する。
一 大阪・関西万博の海外パビリオン工事代金に関し、未払いの問題が発生しているのは何ケ国のパビリオンか、また具体的な国名は何か、未払いとなっている下請負事業者は何社か、未払いとなっている金額はいかほどか、それぞれ政府の把握しているところを明らかにされたい。
二 工事代金の支払遅延は建設業法に抵触するものであり、行政機関が工事代金未払いの元請負人に対し支払いを行うよう勧奨すべきと考えるが、政府の見解はどのようなものか。
三 今回の工事代金未払いは典型的な「下請けいじめ」と考えられるが、これまでさまざまな下請けいじめ防止策を講じてきた政府として工事代金未払いが発生した原因はどのようなものがあると考えるか、またその再発防止策はどのようなものを考えるか。
四 大阪・関西万博の会場建設工事の困難さや建設工事費の高騰の原因として、会場である夢洲が廃棄物処理場であったことによる地盤の軟弱性や土壌汚染があげられるところ、夢洲を会場とした政府、大阪府および大阪市にも工事代金未払い問題の責任の一端があると考えるが、政府の見解はどのようなものか。
五 昨今の物価高騰、資材価格高騰、人手不足は大阪・関西万博の会場建設工事にも少なからぬ影響を及ぼしたものと承知している。工事代金未払いとなっている下請負人の事業者はその事業の継続が困難となっているものも少なくないことから、行政による立替払いや無利子融資などの救済策を緊急に講じる必要があると考えるが、政府の見解はどのようなものか。
六 そもそも大阪・関西万博の海外パビリオンの建設工事は契約段階からその遅れが指摘されてきた。二〇二三年八月三十一日に開催の大阪・関西万博に関する関係者会合において国際博覧会担当大臣は「海外パビリオンの建設の遅れについては、先ほど説明したとおり、参加国と建設事業者との調整を進めます」と発言し、また、大阪府知事は「海外パビリオンの建設の促進について、これは、地元の中小企業の建設事業者、設備事業者の協力も非常に重要だと思っております。大阪において、八月三日に、府内の関係団体にこの協力要請の文書を発出いたしました。また、九日には、私自身も、定例会見で呼びかけをいたしました。また、二十四日には、関西広域連合におきまして、関西の知事・市長に対して同様の協力要請を行ったところでもあります。さらに、加えまして、本日ですが、私と市長とで、また、協会も一体となりまして、地元の建設業界の皆さんと懇談会の場を設けました。海外パビリオンの建設促進への協力について、働きかけを直接行いました」と発言するなど、政府、大阪府など行政機関が建設事業者に協力を要請した経緯があるところ、今般の工事代金未払いについては政府および大阪府にも小さからぬ責任があると考えるが、この責任をどのように果たすのか。政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。