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令和八年六月二十六日提出
質問第二一号

看護・介護・保育分野における有料職業紹介手数料の透明化及び上限規制に関する質問主意書

提出者  長妻 昭




看護・介護・保育分野における有料職業紹介手数料の透明化及び上限規制に関する質問主意書


 看護、介護及び保育の各分野は、国民の生命、健康、生活及びこどもの育ちを支える基盤であり、極めて高い公共性を有する。一方で、これらの分野では深刻な人材不足が続き、医療機関、介護事業者及び保育事業者が人材確保のため有料職業紹介事業者に依存せざるを得ない状況が生じている。
 その結果、紹介手数料が事業者の経営を圧迫し、本来であれば職員の処遇改善、職場環境の整備、患者、利用者及びこどもへのサービスの質の向上に充てられるべき財源が、紹介手数料として流出しているとの指摘がある。
 厚生労働省の「令和七年度 医療等分野における雇用仲介事業に関する調査研究事業報告書」によれば、「三分野の職業紹介(就職者調査D)」において、「企業が紹介手数料を負担していることの認知度」は有料職業紹介事業者を利用した就職者(求職者)が「知っている」が七十二・一%、「知らなかった」が二十七・九%であった。また、「企業が負担している手数料率の認知度」は、「どの程度支払われているか知っている」が十七・九%にとどまっている。
 すなわち、企業が紹介手数料を負担していることを知っており、かつ、その手数料率を知っている求職者は、全体の約十三%にすぎないと整理できる。これは、求職者の多くが、自らの就職・転職に伴って求人者側にどの程度の紹介手数料が発生しているのかを十分に認識しないまま、有料職業紹介サービスを利用している実態を示すものである。
 形式上、紹介手数料は求人者が負担するものであるとしても、看護、介護及び保育分野においては、その原資には診療報酬、介護報酬、公定価格、利用者負担、保険料及び公費等が含まれる。したがって、紹介手数料の在り方は、単なる民間取引上の価格の問題にとどまらず、公共性の高いサービスの持続可能性に関わる重要な政策課題である。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 求職者への紹介手数料の告知及び確認について
 厚生労働省の調査研究事業報告書によれば、看護、介護及び保育の三分野において、企業が紹介手数料を負担していることを知っており、かつ、その手数料率を知っている求職者は、全体の約十三%にすぎないと整理できる。
 政府は、このように、求職者が自らの就職・転職に伴い求人者側に発生する紹介手数料の金額又は料率を十分に知らないまま有料職業紹介サービスを利用している実態をどのように認識しているか。また、有料職業紹介事業者に対し、看護、介護及び保育分野の求職者へ、求人者が支払う紹介手数料の金額、料率又は算定方法を、求人紹介時、応募意思確認時、内定時又は入職決定時までに、書面又は電磁的方法により告知し、求職者が確認した記録を残すことを義務付ける必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
二 現行の手数料実績公開制度の限界について
 令和七年四月から、職業紹介事業者の手数料実績の公開が義務化されたと承知している。しかし、事業者単位又は職種単位の平均手数料率の公開だけでは、個々の求職者が、自らの就職・転職に伴って具体的にどの程度の紹介手数料が発生するのかを理解するには不十分ではないか。
 政府は、現行の手数料実績公開制度が、求職者本人に対する情報提供として十分であると考えているのか。十分であると考える場合はその理由を、十分でないと考える場合は今後の改善策を明らかにされたい。
三 看護・介護・保育分野における紹介手数料の上限規制について
 看護、介護及び保育分野は、国民生活に不可欠な公共性の高い分野であり、診療報酬、介護報酬、公定価格等により収入構造が公的に規律されている。他方で、人材紹介手数料については市場取引に委ねられており、この非対称性が現場の経営を圧迫しているとの指摘がある。
 政府は、看護、介護及び保育分野について、その社会的重要性及び公共性に鑑み、紹介手数料について年収に対する一定割合又は一定金額を上限とする規制を設ける必要性をどのように認識しているか。上限規制は困難であると考える場合には、その具体的理由を明らかにされたい。
四 今後の制度見直しについて
 看護、介護及び保育分野における人材確保の困難、紹介手数料による経営圧迫、求職者への情報提供の不十分さを踏まえ、政府は、求職者への紹介手数料の事前告知、手数料上限規制、短期離職時の返戻金制度の義務化、過度な転職勧奨への規制強化等を含む制度見直しを検討すべきではないか。政府の見解を示されたい。

 右質問する。

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