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平成十四年十二月二十日受領
答弁第一九号

  内閣衆質一五五第一九号
  平成十四年十二月二十日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員近藤昭一君提出朝鮮人強制連行・強制労働に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員近藤昭一君提出朝鮮人強制連行・強制労働に関する質問に対する答弁書



一及び二について

 政府としては、いわゆる朝鮮人徴用者等の問題を含め、当時多数の方々が不幸な状況に陥ったことは否定できないと考えており、戦争という異常な状況下とはいえ、多くの方々に耐え難い苦しみと悲しみを与えたことは極めて遺憾なことであったと考える。
 いわゆる朝鮮人徴用者等の問題については、大韓民国(以下「韓国」という。)との間では、財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定(昭和四十年条約第二十七号)第二条第一項において「両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、(中略)完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認」している。また、北朝鮮との間では、日朝平壌宣言において「双方は、国交正常化を実現するにあたっては、千九百四十五年八月十五日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議する」ことが明記されており、いわゆる朝鮮人徴用者等の問題を含め、右のとおり日朝平壌宣言に明記されているところに従い、日朝国交正常化交渉において協議されるべきものである。

三について

 いわゆる朝鮮人徴用者等に関する調査等については、平成二年五月二十五日の日韓外相会談の際に、韓国側から終戦前に徴用された者の名簿の入手について協力要請があったことを受け、政府として調査等を実施し、平成三年三月五日に九万八百四人、平成四年十二月二十五日に一万七千百七人の名簿の写しを駐日韓国大使館へ提出している。
 いわゆる朝鮮人徴用者等の問題についての政府の見解は、一及び二についてで述べたとおりであり、また、いわゆる朝鮮人徴用者等に関する「調査や関係資料の公表」について、日本政府に法的義務があるわけではない。
 政府としては、当時もできる限りの調査等を実施したものであるが、今後、いわゆる朝鮮人徴用者等に関して新たな情報がある場合には、必要に応じ対応してまいりたい。

四について

 御指摘の「華人労務者就労事情調査報告書」(昭和二十一年三月一日外務省管理局作成)については、平成六年六月二十二日の参議院外務委員会において、政府として作成したものであることを認め、翌二十三日から公開することに至ったものである。
 お尋ねのいわゆる朝鮮人徴用者等に関する名簿については、三についてで述べたとおり、韓国側から協力要請があったことを受けて、政府として調査等を実施し、その写しを駐日韓国大使館に提出したものであり、右の名簿の取扱いに関しては、当該名簿中に行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)に規定する不開示情報が記録されていることから、政府として、現段階においてこれを一般に公開することは適当ではないと考えているところである。
 なお、右の名簿については、今後、本人、遺族の方等に対しては、照会や閲覧に応じる方向で検討してまいりたい。

五について

 従来から、国家がその国民の他国又はその国民との間の財産及び請求権の問題を解決するために国際約束を締結することは国際法上可能として各国の実行が積み重ねられてきており、政府としては、いわゆる強制連行問題も含め、先の大戦に係る賠償並びに財産及び請求権の問題については、日本国との平和条約(昭和二十七年条約第五号)、二国間の平和条約その他関連する条約等に従って誠実に対応してきているところであって、これらの条約等の当事国及びその国民との間では、個人の財産及び請求権の問題を含めて法的に解決済みである。



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