答弁本文情報
平成十四年十二月二十七日受領答弁第三九号
内閣衆質一五五第三九号
平成十四年十二月二十七日
衆議院議長 綿貫民輔 殿
衆議院議員大出彰君提出公務員制度改革の考え方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員大出彰君提出公務員制度改革の考え方に関する質問に対する答弁書
一について
国家公務員制度においては、職階制を前提として官職の職種及び等級に応じた任用の資格要件が定められ、それに基づき任用を行うこととされているところである。しかしながら、現在、職階制は実施されておらず、これに代えて、職階制が実施されるまでの間、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)第六条の規定により職務の分類が行われるとともに、同法第八条の規定に基づき昇格等の基準が定められ、これらが任用にも活用されているところであるが、当該昇格等の基準は給与の決定のために定められたものであるという性質上、任用の基準自体を定めるものではない。
このように現行の暫定的な制度は、任用制度の基礎となるべき任用の基準が制度上適切に措置されていないことから、能力本位で適材適所の人事配置を十分に実現できるものとはなっていないと考えている。
現行制度は、一についてで述べたとおり、任用制度の基礎となるべき任用の基準が制度上適切に措置されていない。また、職員の能力や成果を適切に評価し、その結果を任用や給与に有効に活用する仕組みが十分なものとなっていないという課題がある。運用面においても、評価制度が有効に機能していないこととあいまって、採用試験区分や採用年次等を過度に重視した昇任及び昇格が行われていること、特別昇給や勤勉手当においていわゆる持ち回り運用が見られること等の課題もあり、これらは、人事管理に対する意識の不足等により、各任命権者において主体的かつ責任ある人事管理が十分に行われてこなかったことなどが背景にあると考えている。
したがって、これら制度及び運用の両面にわたる見直しが必要と考えている。
今般の公務員制度改革では、新たな人事制度の基礎となるものとして職務(官職)を通じて現に発揮している職務遂行能力に応じて職員を等級に格付ける能力等級制度を設け、これを任用、給与及び評価の基準として活用すること等により、真に能力本位で適材適所の人事配置を推進するとともに、能力・職責・業績を適切に反映したインセンティブに富んだ給与処遇を実現することとしている。
現行の勤務評定は、評定の項目が必ずしも適切ではないこと、評価の基準が具体的に設定されていないこと、評価結果の用途が明確にされていないこと等の問題点があることから、十分に機能するものとはなっていないと考えており、今般の公務員制度改革においては、現行の勤務評定に替え、職員の能力や業績を適正に評価し得る新たな評価制度を整備していくこととしている。なお、評価制度の設計に当たっては、職員団体の意見を十分聴いていくこととしている。