答弁本文情報
平成十五年五月十六日受領答弁第六三号
内閣衆質一五六第六三号
平成十五年五月十六日
内閣総理大臣 小泉純一郎
衆議院議長 綿貫民輔 殿
衆議院議員首藤信彦君提出「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員首藤信彦君提出「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」に関する質問に対する答弁書
一について
今国会に提出している国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(以下「本条約」という。)第五条1(a)(i)に規定されている「financial or other material benefit」については、次のような理由から「金銭的利益その他の物質的利益」と訳したものである。
1 本条約の交渉過程においては、「material benefit」について、「物質的利益」の意味で議論されていたものであること。
2 本条約ではアラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語がひとしく正文とされている(本条約第四十一条2)が、英語以外の言語による正文においては、英語正文の「material benefit」に該当する箇所は、例えば中国語正文では「物質利益」とされているように、いずれも「物質的利益」という意味であること。
また、本条約の日本語訳については、政府部内において慎重に検討した上で確定したものである。
条約の日本語訳については、条約の正文における個々の文言の意味を正確に反映するように、我が国が既に締結している他の条約や国内法令における用語との整合性等を勘案しつつ、政府部内において慎重に検討した上で確定しており、御指摘の「第三者としての専門家」が政府職員以外の者を意味するのであれば、このような者を交えて精査し、議論する必要はないと考えている。