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答弁本文情報

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平成十五年九月二日受領
答弁第一二〇号

  内閣衆質一五六第一二〇号
  平成十五年九月二日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員斉藤鉄夫君提出鍼・灸・マッサージ・柔道整復施術と同療養費に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員斉藤鉄夫君提出鍼・灸・マッサージ・柔道整復施術と同療養費に関する質問に対する答弁書



一の@からBまでについて

 保険医療機関におけるはり施術の実施状況、はり師の雇用の状況及びはり施術に係る料金の徴収の状況については、把握していない。

一のC及びDについて

 健康保険法(大正十一年法律第七十号)においては、保険医療機関がはり施術を実施すること自体は禁止されていない。
 しかしながら、このような場合に、保険医療機関は、保険者からはり施術に着目した費用の支払を受けることはできず、また、保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和三十二年厚生省令第十五号)により、被保険者から保険診療に係る一部負担金等の外に費用の支払を受けることもできないことから、保険医療機関ではないはり施術所がはり施術を実施する場合と比較して著しく公平性を欠くとの御指摘は当たらないものと考える。

二の@及びAについて

 保険者が被保険者から委任を受けた施術者に直接療養費の支払を行う事例があることは承知しているが、療養費の支給制度の趣旨から見て、望ましいものではないと考えている。なお、その実態については、把握していない。

二のBについて

 健康保険法においては、保険医療機関が被保険者に対して療養の給付を行うことが原則とされる一方、第八十七条第一項により、保険者は、療養の給付を行うことが困難であると認めるとき又は保険医療機関以外の者から診療、手当等を受けたことがやむを得ないと認めるときは、その費用の一部を療養費として支給できることとされている。柔道整復に係る療養費については、かつて整形外科を担う医師が少なかったこと、柔道整復師は脱臼又は骨折に対する応急手当をすることがあり、その場合には柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第十七条により医師の同意を要しないこととされていること等を踏まえ、被保険者がその傷病に対する手当等を迅速に利用することを可能とする観点から、例外的に、受領委任払い(保険者と柔道整復師により構成される団体又は柔道整復師との間で契約を締結するとともに、被保険者が療養費の受領を当該契約に係る柔道整復師に委任することにより、保険者が療養費を被保険者ではなく柔道整復師に支払うことをいう。)の実施が認められているところである。

二のCについて

 総務省、財務省、文部科学省及び厚生労働省が実施した柔道整復に係る療養費の調査によれば、平成十二年度から平成十四年度までの間の各年度における柔道整復に係る療養費の支給額は、別表第一から別表第三までのとおりである。

二のDについて

 「按摩、鍼灸術にかかる健康保険の療養費について」(昭和二十五年一月十九日付け保発第四号厚生省保険局長通知)においては、「療術師」ではなく「療術業者」という文言が使用されているところ、この「療術業者」とは、当該通知の発出当時のあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法(昭和二十二年法律第二百十七号)第一条の規定によるあん摩師免許、はり師免許又はきゅう師免許を受けた者等を指している。

二のEについて

 健康保険法においては、保険医療機関が被保険者に対して療養の給付を行うことが原則とされる一方、第八十七条第一項により、保険者は、療養の給付を行うことが困難であると認めるとき等は、その費用の一部を療養費として支給できることとされているが、現に医師が治療を継続している疾患に対してはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師又は柔道整復師が施術を行ったとしても、療養費を支給することは認められていない。

三について

 現時点において把握している療養費の支給申請から支払までに要する平均期間は、はり及びきゅうについては別表第四のとおりであり、あん摩マッサージ指圧については別表第五のとおりである。
 なお、保険者によっては、療養費支給申請書と診療報酬明細書とを対照して審査し、あるいは被保険者ごとに一箇月分をまとめて支払う等の理由により、支払までの期間が長くなることがある。

四について

 変形性膝関節症に対するはり又はきゅうの効果については、学術的にも様々な見解があることから、現在のところ、当該疾患に対するはり又はきゅうについて療養費の支給に関する基準を示すことは考えていない。

五について

 柔道整復師の施術とあん摩マッサージ指圧師の施術とを比較した場合、療養費の対象となる疾患や施術の体系が異なり、温罨法を併用した場合の効果にもおのずと違いがあることから、「柔道整復師の施術に係る療養費の算定について」(昭和三十三年九月三十日付け保発第六十四号厚生省保険局長通知)及び「はり・きゅう及びあんま・マッサージに係る療養費の支給について」(昭和四十七年二月二十八日付け保険発第二十二号厚生省保険局医療課長通知。以下「医療課長通知」という。)における温罨法の加算方法にも違いがあるところであり、このような取扱いを見直すことは考えていない。

六について

 はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費の支給に関する基準を明確にすることは重要であると考えており、従来から、「はり、きゆう及びマツサージの施術にかかる療養費の取扱いについて」(昭和四十二年九月十八日付け保発第三十二号厚生省保険局長通知)、医療課長通知等を通じて、対象疾患、算定方法等に関する基準を示しているところである。


別表第一


別表第二


別表第三


別表第四


別表第五


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