答弁本文情報
平成十五年十月十日受領答弁第二四号
内閣衆質一五七第二四号
平成十五年十月十日
衆議院議長 綿貫民輔 殿
衆議院議員川田悦子君提出七三一部隊等の旧帝国陸軍防疫給水部に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員川田悦子君提出七三一部隊等の旧帝国陸軍防疫給水部に関する質問に対する答弁書
一について
いわゆる七三一部隊が旧日本軍の関東軍防疫給水部のことであること及び他の旧日本軍部隊にも防疫給水部が存在したことは、旧日本軍の関連資料を保管し、公開している防衛庁防衛研究所図書館に保管されている文書から明らかとなっている。
しかしながら、外務省、防衛庁等の文書において、関東軍防疫給水部等が細菌戦を行ったことを示す資料は、現時点まで確認されていない。
お尋ねの細菌戦に係る事実調査等については、本件の性格や時間的な経過にかんがみれば、更なる調査を行い、明確な形で事実関係を断定することは極めて困難と考えるが、新たな事実が判明する場合には、歴史の事実として厳粛に受け止めていきたい。
お尋ねの論文は、第十四回外交記録公開において公開した資料の中に含まれているものであり、当時の吉村又三郎外務省連絡局調査課長によって保管されていた執務参考資料と思われる。同論文の執筆者である榎本重治氏の当時の役職は明らかでないが、同氏は戦前に海軍大学教授、海軍書記官等を務めていた。また、同氏が同論文を作成した目的については、明らかでない。
平成十年四月十九日の日露首脳会談において、エリツィン大統領(当時)より第二次世界大戦当時の将校等に関する資料であるとして、十四件、計二百八十六頁の文書が橋本内閣総理大臣(当時)に手交された。その内容は、旧関東軍の将校数名の調書等であるが、同文書に関東軍防疫給水部等に関する記述はない。
お尋ねの電報等は、外務省においては保管されていない。
お尋ねの伝染病週報及び伝染病月報については、昭和十七年までのものが外交史料館において公開されているが、昭和十八年から昭和二十年までのものは外務省においては保管されていない。