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答弁本文情報

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平成十五年十二月九日受領
答弁第九号

  内閣衆質一五八第九号
  平成十五年十二月九日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員枝野幸男君提出簡易生命保険約款及び保険料の算出方法書の変更に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員枝野幸男君提出簡易生命保険約款及び保険料の算出方法書の変更に関する質問に対する答弁書



一について

 政府においては、「民間にできることは民間に」との方針の下、経済財政諮問会議において、郵政民営化の具体案の検討に着手したところである。

二について

 第百五十六回国会において保険業法の一部を改正する法律(平成十五年法律第百二十九号)に係る法案を提出したのは、我が国の生命保険を取り巻く環境が、保有契約高の減少や株価の低迷等に加え、超低金利の継続によるいわゆる「逆ざや」問題により、一層厳しいものとなっていた中で、特定の保険会社を想定していたわけではないが、保険業の継続が困難となる蓋然性のある保険会社について、保険契約者等の保護の観点から、契約条件の変更を可能とする手続等の整備を行う必要があったためである。

三について

 御指摘の「新型終身保険」は、近年における保険需要の動向にかんがみ、簡易生命保険の加入者に対する保障内容の充実を図るとともに、新規の簡易生命保険契約の急激な落ち込みを緩和するため、簡易生命保険法(昭和二十四年法律第六十八号)及びこれに基づく政令により限定されている保険の種類(以下「保険種類」という。)や保険金額の範囲内において終身保険を改善したいとの日本郵政公社の認可の申請を受け、総務大臣が、同法第百二条第三項及び第百三条第三項に定める基準にのっとった審査を行い、その権限に基づき認可したものである。
 政府においては、「民間にできることは民間に」との方針の下、経済財政諮問会議において、郵政民営化の具体案の検討に着手したところであり、民営化に向けて日本郵政公社の経営悪化を防止することにつながる今回の認可が直ちにこうした方針と矛盾するものとは考えていない。

四について

 「新型終身保険」については、社団法人生命保険協会が生命保険会社の販売する定期保険特約付終身保険と直接競合するとして商品改定に反対していたことは承知しているが、両者の間には仕組みや平均保険金額の見込額に違いがあり、また、日本郵政公社はその販売の大宗が既存の簡易生命保険の保険種類からの代替によるものと見込んでいることから、総務大臣が、民間生命保険業界に大きな影響を与えることはないとの前提の下で、その権限に基づき認可したものである。

五について

 簡易生命保険として提供できる保険種類や保険金額は、関係省庁との調整も経た上で定められた簡易生命保険法及びこれに基づく政令により限定されており、これらの法令の範囲内での簡易生命保険約款及び保険料の算出方法書の変更認可は総務大臣の権限とされているところであって、こうした制度自体に根本的な欠陥があるとは考えていない。
 なお、政府においては、経済財政諮問会議において、郵政三事業を民間市場システムに吸収統合し経済活性化を実現すること、金融システム改革等との整合性のとれた改革を行うこと、国民にとっての利便性に配慮した形で改革を行うこと等の基本原則に沿って、郵政民営化の具体案の検討に着手したところである。



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