答弁本文情報
平成十六年二月二十四日受領答弁第一七号
内閣衆質一五八第一七号
平成十六年二月二十四日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員長妻昭君提出国の施設に入るテナントの選定及び適正使用料等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長妻昭君提出国の施設に入るテナントの選定及び適正使用料等に関する質問に対する答弁書
一について
先の答弁書(平成十五年九月三十日内閣衆質一五六第九六号)別表の「店舗名」欄に記載した店舗等のうち、無償で使用されているものは約五十四パーセントである。
お尋ねの「見返り」が何を意味するのか必ずしも明らかではないが、国の施設を無償で使用する者は、当該施設を、無償使用の根拠となる法律が無償使用を認める事業等の用に供しなければならない。例えば、国家公務員共済組合(以下「組合」という。)が、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第十二条第二項に基づき、福祉事業に使用するために無償使用の許可を得た国の施設は、専ら当該福祉事業の用に供しなければならない。
比較の対象となる一般的な価格を把握することは必ずしも容易でないが、一般的な価格を一定の方法により推計することができる場合について、推計した一般的な価格より低い価格で商品等を提供している店舗等に係るお尋ねの点をお示しすれば、別表第一のとおりである。
国家公務員共済組合法第一条第一項に規定されているとおり、組合が行う福祉事業は、国家公務員等の福祉の向上に寄与するとともに職務の能率的運営に資することを目的とするものである。この福祉事業は、国が使用主として行うべき福利厚生事業を代行する面を有していることにかんがみ、同条第二項において、国は、組合の健全な運営と発達のために必要な配慮を加えるものとされている。この考え方に基づき、同法第十二条第二項では、各省各庁の長は、組合の運営に必要な範囲内において、国の施設を無償で組合の利用に供することができることとされている。同法は、国の施設を有償で組合の利用に供することを禁止してはいないものの、各省各庁の長は、組合が行う福祉事業が、右に述べた目的と性格を有していることにかんがみて、国の施設を無償で組合の利用に供しているところである。
国の施設を無償で利用している、このような組合が業者に経営を委託して福祉事業を行う場合についても、右に述べた福祉事業の目的と性格を有していることは、組合が直接経営して福祉事業を行う場合と同様であるので、組合において、当該施設を無償で当該業者に利用させているところである。
今後とも、組合が行う福祉事業については、その目的と性格を踏まえ、適切に運営してまいりたい。
国の施設を使用する店舗等の選定については、透明性や公平性を確保する観点から、できる限り公募によるべきものと考える。しかしながら、地方公共団体の事務室、郵便局等を開設する場合のように、対象者が特定されることから公募になじまないこと等がある。
先の答弁書別表の「店舗名」欄に記載した店舗等のうち、職員の紹介により選定したものはない。公募により選定した店舗等に係る公募方法は、別表第二のとおりである。
先の答弁書四についてで述べたとおり、使用又は収益の許可は、国の施設利用の必要性により、一方的に取り消されることがあり、使用者は、民間施設の賃借人に比べ不安定な立場にある等の事情があることから、その使用料について、賃貸借関係にある民間相場と単純に比較することは適当でないと考える。また、民間相場の調査結果については、各地域の民間相場の実態を十分に反映したものかどうか必ずしも明らかではないところである。
使用料の算定基準については、別紙のとおりであり、個々の使用料の算定については、施設の管理を行っている各府省等において適正に行っている。
いずれにしても、行政財産の使用又は収益の許可については、使用料の算定を含め、今後とも、適正な対応に努めてまいりたい。
組合が国の施設を使用し、業者に経営を委託して福祉事業を行う場合の業者の選定については、公募によることが適当でない場合を除き、業者の選定をできる限り公募により行うよう、「国家公務員共済組合が国有財産を使用し、業者に福祉事業の経営を委託して行わせる場合の取扱要領について」(昭和三十六年二月十四日蔵計第二百四十五号)を改正し、組合に対して指導したところである。