答弁本文情報
平成十六年五月十八日受領答弁第九四号
内閣衆質一五九第九四号
平成十六年五月十八日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員照屋寛徳君提出いわゆるYナンバー車両の違法登録に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員照屋寛徳君提出いわゆるYナンバー車両の違法登録に関する質問に対する答弁書
一から四までについて
自動車がアメリカ合衆国(以下「合衆国」という。)の軍隊(以下「合衆国軍隊」という。)の構成員若しくは軍属又はそれらの家族の私用に供される、いわゆるYナンバー車両である場合、当該自動車の保有者であるこれらの者についても、適用地域に関する経過措置に係る自動車の保管場所の確保等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十五号。以下「保管場所法」という。)附則の規定により保管場所法の規定の適用が除外されていない限り、保管場所法が適用され、保管場所法第四条第一項の規定により、登録(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第四条に規定する処分、同法第十二条に規定する処分(使用の本拠の位置の変更に係るものに限る。)又は同法第十三条に規定する処分(使用の本拠の位置の変更を伴う場合に限る。)をいう。以下同じ。)を受けようとする者は、登録に係る行政庁に対して、保管場所法第四条第一項の政令で定める書面(以下「自動車保管場所証明書」という。)を提出しなければならないとされ、同条第二項の規定により、当該行政庁は、自動車保管場所証明書の提出がないときは、登録をしないものとされているところ、平成十年五月以降も、自動車保管場所証明書が提出されている長崎県内に使用の本拠を有する自動車に係るものを除き、いわゆるYナンバー車両の登録が自動車保管場所証明書の提出なしにされていたものと認められる。
運輸省においては、「アメリカ合衆国の軍隊の構成員若しくは軍属又はそれらの家族の私有車両の登録事務の取扱いについて」(平成十年六月九日付け自管発第三十一号自動車交通局技術安全部管理課長通達。以下「管理課長通達」という。)を発出し、各地方運輸局整備部長及び沖縄総合事務局運輸部長に対して、文書により、その管轄地域内の合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の私有車両の登録に当たっては車庫証明書の提出がない場合にはこれを行わないこととする旨の通知を行ったところであるが、このような取扱いの変更の実施に当たっては、合衆国軍隊において関係者への周知等の準備期間が必要であるとされているため、具体的な取扱いの変更日については追って通知することとしたところである。
政府としては、管理課長通達の内容を円滑に実施していくためには、合衆国政府の理解を得て合衆国軍隊内部で適切な周知措置が採られる必要があることから、六についてで述べるとおり、これまで合衆国政府との協議を行ってきている。政府としては、関連法令の適切な適用が早急に確保されるよう、引き続き鋭意合衆国政府との協議を行っていく所存であり、かかる協議を踏まえつつ、具体的な取扱いの変更日を決定することとしている。
運輸省において、管理課長通達の発出に当たり、自動車保管場所証明書の取扱いや合衆国軍隊における準備期間を設けることについて警察庁交通局及び外務省北米局と協議を行い、合意を得たものである。
政府は、平成十年六月以降、管理課長通達の内容を円滑に実施していくため、合衆国政府との間で、累次にわたる日米合同委員会、平成十四年四月三日及び平成十六年五月十三日に開かれた日米合同委員会合意の見直しに関する特別分科委員会、他の日米間の協議などを含む様々な機会において協議を行ってきた。また、日米合同委員会合意の見直しに関する特別分科委員会の日本側議長及び合衆国側議長の間では、平成十五年十一月以降、本件に関しいくつかの書簡が交わされてきている。これらの協議では、日米両政府は、本件を早急に解決する必要性についての共通の認識に立って、鋭意協議を行ってきているが、お尋ねの点のうち、右に述べた点以外の点にかかる合衆国政府との具体的な協議の内容等については、これを公にすると合衆国政府との信頼関係が損なわれるおそれがあること等から答弁を差し控えたい。
民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百十九条の共同不法行為の責任の成否については、個々の不法行為と損害との因果関係その他の要因から個々の事案ごとに判断されるものと考えられる。