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平成十六年六月四日受領
答弁第一一三号

  内閣衆質一五九第一一三号
  平成十六年六月四日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員長妻昭君提出年金等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出年金等に関する質問に対する答弁書



一の1について

 平成十四年度末における、年金資金運用基金が運用を行う厚生年金保険及び国民年金に係る積立金(以下「年金積立金」という。)並びに年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律(平成十二年法律第二十号)第五条に規定する資金確保業務及び基盤強化業務に係る資金(以下「年金積立金等」という。)の市場運用部分に占める国内株式及び外国株式(以下「株式」という。)の割合は約三十八パーセントであり、国家公務員共済年金に係る積立金(以下「共済積立金」という。)の市場運用部分に占める株式の割合は約十三パーセントである。

一の2について

 平成十四年度末における、年金積立金等の市場運用部分の資産は時価総額で約三十一・六兆円、株式の資産は時価総額で約十一・八兆円であり、共済積立金の市場運用部分の資産は時価総額で約四・四兆円、株式の資産は時価総額で約〇・六兆円である。

一の3について

 年金積立金の運用と共済積立金の運用とを比較する場合、共に財政融資資金への預託金を含む積立金全体を前提に資産構成割合を決定していることから、積立金全体で比較することが適当であると考えており、積立金全体で見た場合、平成十四年度末における、年金積立金全体に占める株式の割合は約七・三パーセントであり、共済積立金全体に占める株式の割合は約六・五パーセントであることから、積立金全体に占める株式の割合に大きな差はないものと考えている。
 なお、年金積立金の財政融資資金への預託状況については、平成十二年度以前は、資金運用部資金法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十九号)第一条の規定による改正前の資金運用部資金法(昭和二十六年法律第百号)第二条第二項の規定に基づき、その全額を資金運用部(現在の財政融資資金)に預託する義務が課せられており、現在は、毎年度財政融資資金から預託金が償還されているところであるが、平成十四年度末においても、年金積立金約百四十七・六兆円のうち約七十六パーセントに当たる約百十二・三兆円が財政融資資金に預託されているところである。
 一方、共済積立金については、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第三十五条の二第二項の規定に基づき、その一部を財政融資資金に預託する義務が課せられており、平成十四年度末においては、共済積立金約八・七兆円のうち約四十九パーセントに当たる約四・三兆円が財政融資資金に預託されているところである。
 また、運用対象資産については、年金積立金の運用対象資産は、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式及び短期資産である一方、共済積立金の運用対象資産は、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、短期資産、不動産及び貸付金である。
 このように、積立金に占める預託金の割合が異なること、運用対象資産が異なること等から、お尋ねのように年金積立金の市場運用部分と共済積立金の市場運用部分とを単純に比較し、年金積立金の運用が共済積立金の運用よりもリスクが高いと評価することは適当ではないと考えており、今後とも、安全かつ効率的な運用に努めてまいりたい。
 なお、年金積立金の運用の理念については、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第七十九条の二及び国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第七十五条の規定により、専ら被保険者の利益のために、安全かつ効率的に行うこととされており、同様に共済積立金の運用の理念についても、国家公務員共済組合法第十九条の規定により、安全かつ効率的に行わなければならないこととされている。

一の4の@及びAについて

 現在の年金資金運用基金の投資専門委員の氏名及び経歴については、別表第一のとおりである。

一の4のBについて

 投資専門委員の役割は、年金資金運用基金法(平成十二年法律第十九号)第二十四条第一項に規定する年金資金の管理及び運用を行う業務(以下「管理運用業務」という。)に関する専門の事項について調査し、及び管理運用業務の運営に関する重要事項に参画することである。

一の4のC及びDについて

 年金資金運用基金の給与規程等に基づき、投資専門委員の平成十六年度における年間給与及び任期が満了する時点における退職金を試算すると、別表第二のとおりである。

一の4のE、F及びHについて

 投資専門委員については、年金資金運用基金法第二十条第三項の規定により、経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験を有する者のうちから理事長が適当と判断した者について、厚生労働大臣の認可を受けて任命することとなっている。
 国家公務員の退職者であることは、選任の要件としていない。

一の4のGについて

 投資専門委員の給与及び退職金については、その全額について厚生年金保険料及び国民年金保険料(以下「年金保険料」という。)を充てている。

一の4のIについて

 年金資金運用基金の理事長は、年金資金運用基金法第十五条第二項の規定に基づき、投資専門委員について、職務上の義務違反があるとき等には、解任することができるとされている。
 具体的には、投資専門委員に課せられている、慎重かつ細心の注意を払い、全力を挙げて職務を遂行する義務や秘密保持義務に違反した場合等には、理事長は、投資専門委員を解任することが可能であるが、職務上の義務に違反するか否かは単に運用結果のみにより判断されるものではない。

一の5及び6の@について

 株価の形成要因としては様々な要素が考えられること等から、年金積立金の株式運用分をすべて売却すること及び年金積立金を株式で運用することが株価にどのような影響を与えるかについてお答えすることは困難である。

一の6のAについて

 一の3についてでお答えしたとおり、年金積立金の運用は、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うこととされているところであり、お尋ねのような事実はない。

一の7について

 平成十四年度末における、年金積立金等の市場運用部分における株式の評価損は約三・五兆円、年金積立金等の市場運用部分に占める当該評価損の割合は約十一・一パーセントであり、共済積立金の市場運用部分における株式の評価損は約〇・二兆円、共済積立金の市場運用部分に占める当該評価損の割合は約四・六パーセントであるが、一の3についてでお答えしたとおり、積立金に占める預託金の割合が異なること等から、年金積立金の市場運用部分と共済積立金の市場運用部分とを単純に比較することは適当ではないと考えている。なお、積立金全体で比較した場合、年金積立金全体に占める評価損の割合は約二・四パーセント、共済積立金全体に占める評価損の割合は約二・三パーセントであり、ほとんど差はないものと考えている。

二の1から3までについて

 第百五十九回国会に提出した国民年金法等の一部を改正する法律案(以下「法案」という。)に基づく試算では、将来推計人口の前提として国立社会保障・人口問題研究所が作成した「日本の将来推計人口(平成十四年一月推計)」(以下「将来推計人口」という。)における中位推計を標準として用いている。この将来推計人口は、平成十二年に実施した国勢調査に基づく人口を基準として、人口学的・統計学的な手法により作成したものであるところ、その中位推計によると、合計特殊出生率は平成十二年の一・三六から平成十九年にいったん一・三一まで低下し、その後、緩やかに上昇し、平成六十二年には一・三九となるものと見込まれている。
 この合計特殊出生率は、ある時点における十五歳から四十九歳までの女性の年齢別の出生率を合計したものである。このため、平均的な出産年齢が上昇傾向にある時期においては、若いときに出産を終えたためにその時点では出産しない世代と将来に出産を先送りしている世代との出生率を単純に合計した数値となることから見かけ上の数値が低くなる。したがって、平均的な出産年齢の上昇傾向に歯止めがかかる時点以降は数値が上昇するものであり、このため、平成六十二年には一・三九となるものと見込まれている。

二の4について

 将来推計人口には、出生率の将来動向につき、全国の平均的な結婚行動及び出生行動の傾向に基づいて設定した中位推計のほかに、最も未婚率が高い東京都における傾向に基づいて設定した低位推計及び未婚率が低い水準にある十県における傾向の平均に基づいて設定した高位推計がある。
 このように、将来推計人口においては、統計調査から得られた実績や過去からの変化の状況を基に、将来の出生率を仮定しているものであり、その実現可能性を確率で示すことはできない。

二の5について

 合計特殊出生率が将来推計人口の中位推計における見通しとは異なった場合には、厚生年金保険法及び国民年金法の保険給付の給付水準に影響が生じ得る。
 この点について法案附則第二条第一項は、当該給付等について、同項第一号に掲げる額と同項第二号に掲げる額とを合算して得た額の同項第三号に掲げる額に対する比率が百分の五十を上回ることとなるような給付水準を将来にわたり確保するものとすると規定し、その上で、同条第二項において、少なくとも五年ごとに行う国民年金事業及び厚生年金保険事業の財政の現況及び見通しの作成に当たり、次の財政の現況及び見通しが作成されるまでの間に当該比率が百分の五十を下回ることが見込まれる場合には、同条第一項の規定の趣旨にのっとり、調整期間の終了について検討を行い、その終了等の措置を講ずるものとすると規定しており、同条第二項に規定する措置により当該比率について百分の五十を上回る水準を維持しつつ、同条第三項の規定により給付及び費用負担の在り方について検討を行い、所要の措置を講ずることとしている。
 当該所要の措置は、同条第一項の規定の趣旨を踏まえつつ、その時点における経済社会の動向を総合的に勘案した上で講ずるものであり、現時点でその内容を特定しているものではなく、また、その内容については法改正を伴うものであることから、当該所要の措置の具体的内容について、現時点で政府としてお答えすることは困難である。

二の6について

 二の5についてで述べたとおり、合計特殊出生率が将来推計人口の中位推計における見通しとは異なり、その結果法案附則第二条第二項に規定する措置がとられることとなった場合には、同条第三項の規定により、政府は給付及び費用負担の在り方について検討を行い、所要の措置を講ずることとなっている。

三の1について

 国が設置した厚生年金保険及び国民年金の福祉施設(以下「年金の福祉施設」という。)の平成十四年度までの建設費の合計額は一兆四千百二十三億円であり、財源別の内訳は、厚生年金保険料が一兆千七百四十九億円、国民年金保険料が二千三百七十四億円である。

三の2について

 国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会は、福祉施設の整備に必要な資金を国家公務員共済年金の積立金等から借り入れることができることとされており、こうした仕組みで施設整備を行うこととして以来、借入金の元利払につき減免を受けたことはない。平成十年度に国家公務員共済組合連合会の宿泊経理において元本返済予定額の繰延べを行ったことがあるが、この繰延べ分は、その後各年の元本返済必要額に上乗せして分割返済している。金利については、これまで繰延べを行ったことはない。

三の3について

 他国において、年金の保険料を福祉施設の建設費に直接投入しているか否かについては、把握していない。

三の4について

 国家公務員共済の福祉施設の整備に必要な資金については、国家公務員共済年金の積立金等の運用の一環として、国家公務員共済組合法第十九条等の規定に基づき、有利子で貸し付けられており、運用成績は黒字となっている。
 一方、年金の福祉施設の事業については、年金積立金の運用として実施してきたものではなく、厚生年金保険法第七十九条及び国民年金法第七十四条に規定する被保険者等の福祉を増進するための施設の事業として実施しており、その費用については、厚生保険特別会計法(昭和十九年法律第十号)第六条及び国民年金特別会計法(昭和三十六年法律第六十三号)第六条に基づき、年金保険料を充てている。

三の5について

 国家公務員共済の福祉施設の整備に必要な資金については、国家公務員共済年金の積立金等の運用の一環として、国家公務員共済組合法第十九条等の規定に基づき、有利子で貸し付けられており、福祉施設の事業収入を基に元利返済が行われている。
 一方、年金の福祉施設の事業については、厚生年金保険法第七十九条等に規定する被保険者等の福祉を増進するための施設としての事業であり年金積立金の運用の一環として行う事業ではないことから、年金の福祉施設の利益を年金の特別会計に繰り入れることは行っていない。
 なお、年金の福祉施設については、それぞれの年金の福祉施設の経営委託契約に基づき、その運営を委託された公益法人(以下「委託先法人」という。)が、年金の福祉施設の収入をもってその支出に充てることとし、毎会計年度の決算上生じた利益について、委託先法人が年金の福祉施設の経営のために設置した会計に繰越利益金等として処理することとしており、平成十四年度の決算上生じた利益の金額は、別表第三のとおりである。
 また、経営委託契約が解除されたときは、年金の福祉施設の経営委託契約に基づき、委託先法人は運営を委託された年金の福祉施設の経営のために設置した会計の剰余の資産を社会保険庁に引き渡すこととしている。

三の6について

 国家公務員共済の医療施設及び宿泊施設の総数は、平成六年度末には百八十か所であったが、その後、六十七か所を廃止し、平成十五年度末には百十三か所となっている。年金の福祉施設の総数は、平成六年度末には二百三十九か所であったが、その後、三十四か所を新設、八か所を廃止したことにより、平成十五年度末には二百六十五か所となっている。
 また、各施設の経営状況、被保険者等のニーズ等を踏まえ福祉施設の廃止を実施してきたものであるが、国家公務員共済の福祉施設については、国家公務員等の福祉の向上に寄与することを目的に運営し、その福祉施設の整備は国家公務員共済年金の積立金等の安全かつ効率的な運用の一環としての貸付金により実施してきたのに対し、年金の福祉施設については、積立金の運用ではなく厚生年金保険法第七十九条等に規定する被保険者等の福祉を増進するための施設の事業として実施してきたものであり、基本的な考え方が異なっているものと考えている。

四の1について

 お尋ねの建設工事のうち、総事業費が当初の見込みより一・五倍以上となったものはない。

四の2について

 お尋ねの事項については、調査に時間を要するため、与えられた期間内でお答えすることは困難である。

五の1について

 社会保険庁社会保険大学校における研修は、長期間滞在して行うものがあり、これらの研修に参加する職員(以下「研修生」という。)の健康の維持及び管理並びに研修生同士の円滑なコミュニケーションに資する運動施設の一つとしてゴルフ練習場を設置しているところである。
 当該ゴルフ練習場に係る用具の購入及び維持に要した費用は、別表第四のとおりである。
 また、当該ゴルフ練習場は平成五年度に設置したものであり、その設置の経緯等については、資料の保存期間が経過し保存されていないことからお答えすることはできない。

五の2について

 年金保険料を財源とし、建設費又は維持費を支出した、職員の健康の維持及び管理に資することを目的とした施設のお尋ねの事項については調査に時間を要するため、与えられた期間内でお答えすることは困難であるが、社会保険庁本庁内部部局、社会保険大学校及び社会保険業務センターにおける、当該施設の内容、その建設費、維持費及び利用対象者については、別表第五のとおりである。
 また、これらの施設を設置している理由は、社会保険大学校においては、長期間滞在して行う研修があり、研修生の健康の維持及び管理並びに研修生同士の円滑なコミュニケーションを図ることであり、社会保険業務センターにおいては、職員の健康の維持及び管理を図ることである。
 民間との比較については、その規模や性格等が多岐に及ぶことから困難である。

五の3について

 指宿大規模年金保養基地(グリーンピア指宿)において、観覧車が設置されており、その建設に要した費用は二億七千四百万五千九百七十九円である。当該費用の全額については、年金福祉事業団(現在の年金資金運用基金)が資金運用部(現在の財政融資資金)から資金を借り入れ、その償還に要する費用を、厚生保険特別会計等が負担している。大規模年金保養基地(以下「保養基地」という。)の設置については、年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律附則第三条の規定による廃止前の年金福祉事業団法(昭和三十六年法律第百八十号)第十七条第一項の規定に基づき、厚生年金保険法第七十九条等に規定する被保険者等の福祉を増進するための施設のうち保養のための総合施設として実施されてきたものであり、観覧車は、保養のための総合施設の設備として設置されたものである。

五の4について

 お尋ねの遊具、結婚式場及び音楽ホールについては、被保険者の幸福につながるものであることから、「福祉の増進」に資するものであると考えている。
 なお、全国の設置場所等については、調査に時間を要するため、与えられた期間内でお答えすることは困難である。

五の5について

 厚生年金病院については、業務の性格上、二十四時間の対応が求められることから、病院の近隣において医師や看護師等が在往し、緊急呼出しに対応できる体制が必要であるため、医師等の職員用宿舎を設置し、病院と一体的に運営するものである。したがって、当該宿舎についても、厚生年金保険法第七十九条に規定する被保険者等の福祉を増進するための施設として、厚生保険特別会計法第六条の規定に基づき支出したものである。
 なお、宿舎の建設費等については、調査に時間を要するため、与えられた期間内でお答えすることは困難である。

五の6について

 年金の福祉施設の職員用宿舎については、地域の住宅事情及び業務の必要性を踏まえ、年金の福祉施設と一体的に運営するものである。したがって、当該宿舎についても、厚生年金保険法第七十九条等に規定する被保険者等の福祉を増進するための施設として、厚生保険特別会計法第六条等の規定に基づき支出したものである。
 年金資金運用基金の職員用宿舎については、同基金が厚生年金保険法等に基づく年金積立金の管理及び運用を業務として行う法人であることから、当該業務に要する費用として建設に要する費用の全額を厚生年金保険特別会計等が負担しているものである。
 また、年金資金運用基金(旧年金福祉事業団を含む。)が実施する保養基地の運営を行う団体の職員のうち保養基地において勤務する職員のための宿舎については、地域の住宅事情及び業務の必要性を踏まえ、保養基地の一部として、建設に要する費用の全額について、年金福祉事業団(現在の年金資金運用基金)が資金運用部(現在の財政融資資金)から資金を借り入れ、その償還に要する費用を厚生保険特別会計等が負担しているものである。
 なお、宿舎の建設費等については、調査に時間を要するため、与えられた期間内でお答えすることは困難である。

五の7について

 公用車の使用に当たっては、使用する職員の年齢及び入省後の期間により制限を設けておらず、使用する職員の年齢及び入省後の期間により、その妥当性を判断するものではないと考えている。
 なお、民間組織における事例については把握していない。

六の1について

 保養基地の設置については、年金資金運用基金法及び年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成十三年政令第二十一号)第一条の規定による廃止前の年金福祉事業団法施行令(昭和三十六年政令第四百十四号)第一条の規定に基づき厚生大臣が指定することとされており、また、当該指定は、厚生大臣の決裁事項とされていたところである。

六の2について

 保養基地の設置については、昭和四十七年十月の基地構想発表の後、全国より候補地としての申出があり、これらの中から、自然条件、環境条件、立地条件等保養基地として適正と判断されること、候補地の取得の可能性があること、その候補地が公有地であるか、又は公有地化できること、近隣地帯について乱開発等がなされていないこと及び地元の地方自治体の周辺設備等への協力が得られることを基準として、また、全国的な配置を考慮して特別の地域に偏らないようにすることも加味して総合的に判断し、設置場所を決定することとされていた。御指摘の元年金局長についても、こうした基準に即して保養基地の設置に係る業務を遂行していたと考えている。
 なお、当該年金局長は、年金局長としての在任期間が昭和四十七年六月から昭和四十九年六月までであり、南東北大規模年金保養基地(岩沼地区)(グリーンピア岩沼)について当時の厚生大臣が指定した昭和五十一年三月時点では、既に年金局長の職を退任している。

六の3について

 衆議院議員の候補者が選挙運動において行った主張については、政府としてお答えする立場にない。なお、保養基地の指定に係る決裁権者は厚生大臣である。

六の4について

 国家公務員の退職後における再就職の状況は、公務を離れた個人に関する情報であり、一般に政府が把握すべき立場にないが、厚生労働省において、保養基地に関する業務を行う年金資金運用基金及び財団法人年金保養協会の協力を得て調査を行ったところ、厚生大臣が保養基地の指定に係る決裁を行った当時、年金局長の職にあった者のうち、同基金(旧年金福祉事業団を含む。)及び同協会の役員に再就職した者はいないとの報告を得ている。

七について

 お尋ねの平成十六年度予算において、厚生年金保険法第七十九条等に規定する被保険者等の福祉を増進するための施設に要する費用として年金保険料を財源として予算措置されたもののうち、厚生年金保険及び国民年金の年金相談等に使用されるコンピュータシステムの予算額は六百八十一億百十九万六千円、庁舎維持及び建設の予算額は三十三億七千九百二十三万九千円、年金広報の予算額は二十五億九千百四万七千円である。これらの経費は、被保険者等のサービス向上に直接寄与するものであることから、年金保険料を財源としており、妥当なものと考えている。今後とも、被保険者等のサービス向上に直接寄与する経費については、同様の考え方で予算措置することを予定しているが、平成十七年度以降の個別の経費の取扱いについて、現時点でお答えすることは困難である。

八について

 お尋ねの平成十六年度予算において年金保険料を財源としている年金事業の事務の執行に要する費用のうち、職員宿舎の建替え及び公用車の更新に係る経費は極力支出しないこととしているが、災害等の不測の事態が生じる可能性もあり、現時点において、支出しないもの及び支出するものに区分し、その内容及び金額をお答えすることは困難である。

九について

 お尋ねの年金事業の事務の執行に要する費用に係る平成十七年度予算の取扱いについては、予算編成の過程において十分検討することとしている。

十について

 厚生年金保険及び健康保険の被保険者となるか否かは、適用事業所と常用的使用関係にある就労者かどうかを基準として判断している。この場合における常用的使用関係は、就労者の労働日数、労働時間、就労形態、職務内容等を総合的に勘案し、個別具体的事例に即して判断することとなるので、一箇月の勤務日数だけで被保険者となるか否かを判断することは困難である。
 また、外見的には直接その会社の仕事を行っていると思われないような場合であっても、会社からの指揮又は命令を受け、労務の対償として報酬を受けている場合には、これらを総合的に勘案して厚生年金保険及び健康保険の被保険者となる場合もあり得る。
 このように、厚生年金保険及び健康保険の被保険者となるか否かについては、就労者の労働日数、労働時間、就労形態、職務内容等を総合的に勘案し、個別具体的事例に即して判断することとなるので、個別事例から離れて問題の全くないケースと問題が発生するケースを類型化してお示しすることは困難である。


別表第一


別表第二


別表第三 1/2


別表第三 2/2


別表第四


別表第五


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