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平成十六年十一月三十日受領
答弁第三九号

  内閣衆質一六一第三九号
  平成十六年十一月三十日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 細田博之

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員川内博史君提出文化庁著作権課が最近一年間に実施したパブリックコメント及び意見募集等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員川内博史君提出文化庁著作権課が最近一年間に実施したパブリックコメント及び意見募集等に関する質問に対する答弁書



一について

 「規制の設定又は改廃に係る意見提出手続」(平成十一年三月二十三日閣議決定)に基づくパブリック・コメントについては、当該閣議決定及び当該閣議決定の考え方を説明した「規制の設定又は改廃に係る意見提出手続の「考え方」」(以下「パブリック・コメント手続に係る閣議決定等」という。)において、募集期間については、意見又は情報の提出に必要と判断される時間等を勘案し、一か月程度を一つの目安として、案件に応じて、適宜定めるべきであるとしており、必ずしも一か月以上を要するとはしていない。また、パブリック・コメントの対象とならない案件に係る意見募集については、募集期間に関し特段の定めはなく、各府省等が案件に応じて、適宜定めるべきものである。
 平成十五年十二月十日から行った文化審議会著作権分科会報告書案に関する意見募集、平成十六年八月十六日から行った著作権等管理事業法(平成十二年法律第百三十一号)の施行状況等に関する意見募集及び平成十六年十月八日から行った著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)改正に関する要望事項に対する意見募集の募集期間については、文化審議会著作権分科会(以下「著作権分科会」という。)、著作権分科会契約・流通小委員会又は著作権分科会法制問題小委員会(以下「法制問題小委員会」という。)における検討の日程も勘案しつつ、意見募集の対象となる案件の内容にかんがみ、定めたものである。
 また、お尋ねの政府参考人答弁は、パブリック・コメントの募集期間の目安を述べたにすぎないものであって、平成十六年九月三十日から行った著作権法施行令(昭和四十五年政令第三百三十五号)の改正に関するパブリック・コメント(以下「本件パブリック・コメント」という。)については、商業用レコードの還流防止措置の対象期間(以下「還流防止措置の対象期間」という。)の設定に関する意見を求めるものであり、意見の提出には必ずしも時間を要するものではないと判断したことから、募集期間を二週間としたものである。

二の1)について

 お尋ねの業界関係者の行動がどのような認識に基づくものであるかについては承知していないが、お尋ねのような同一文面の「組織票」とも考えられるものは、意見の内容を問わず存在していたところであり、いずれも国民からの意見として承ったところである。

二の2)及び3)について

 お尋ねの講演における著作権課長の発言は、一個人としての立場で行われたものであり、政府として見解を述べることは差し控えたい。

三の1)について

 パブリック・コメント手続に係る閣議決定等においては、一般の理解に資するため、パブリック・コメントの対象となる案等の本体に加え、それに関連する資料等を可能な限り公表することとしている。還流防止措置の対象期間の設定に関する意見を求める本件パブリック・コメントを実施するに当たっては、音楽レコードの国内市場における流通期間や相当の売上げが期待される期間を総合的に勘案した旨を説明すれば足りると考えたものである。

三の2)について

 お尋ねの「(考え方)」は、パブリック・コメントにおける公表資料についての望ましい周知の方法について述べたものである。本件パブリック・コメントにおいても、公表資料については、ホームページや報道発表を活用するほか、一定の消費者団体等に個別に情報提供を行うなど、周知に努めており、お尋ねの「(考え方)」に反しているとの御指摘は当たらないと考えている。

三の3)について

 還流防止措置の対象期間の設定に関する意見を求める本件パブリック・コメントの実施に当たっては、一般の理解に資するため、パブリック・コメントの対象となる案に加え、当該案を作成した趣旨等を示していたところであるが、還流防止措置の対象期間の設定に係る考え方の詳細を求める意見があったことを踏まえ、提出された意見に対する行政としての考え方を示すため、更に詳細な説明を行い、一層の理解を得ようとしたものである。
 還流防止措置の対象期間を定める著作権法施行令の一部を改正する政令案の立案に当たっては、本件パブリック・コメントに提出された意見の趣旨を十分に考慮したところであり、パブリック・コメント制度の本来の趣旨を著しく損なうとの御指摘は当たらないと考えている。
 また、現段階で、お尋ねのように「施行後一年程度を目処に法律の施行状況を検証し、改めて政令の見直しをパブリックコメントに諮る」ことは予定していないが、法律の施行状況等を踏まえ、必要に応じ、適切に対応してまいりたい。

四の一の1)及び3)について

 著作権法改正に関する要望事項に対する意見募集(以下「本件意見募集」という。)に対して提出された意見は、これを取りまとめ、関係団体からの著作権法改正に関する要望事項(以下「関係団体からの改正要望事項」という。)及び関係団体からの改正要望事項等に対する各府省等の意見とともに、法制問題小委員会の各委員(以下「各委員」という。)に配布している。これらの意見等(以下「各意見等」という。)は、いずれも法制問題小委員会における著作権法に関する今後の検討課題の整理のための参考材料となるものであり、このうちのいずれかが他に優越するというような位置付けにはない。
 著作権法に関する今後の検討課題の整理に当たっては、各意見等を参考材料としながら、各委員の意見及び見識によって、必要な事項が盛り込まれることとなると考えている。

四の一の2)について

 本件意見募集に先立って、関係団体に対して著作権法改正に関する要望事項を募集した趣旨は、あらかじめ著作権法改正に関する要望を有していると思われる関係団体から具体的な要望事項を募集し、提出された要望事項を参考材料として示しつつ、広く国民や各府省等から意見を募集した方が、国民や各府省等にとっても意見を提出しやすいのではないかとの考え方に基づくものである。
 また、本件意見募集に対する意見の提出は、必ずしも関係団体からの改正要望事項に係るものに限定しておらず、お尋ねのように「関係諸団体に対する意見照会は一般国民及び関係省庁に対する意見募集に優先して行われるべきものである」との認識の下、本件意見募集を行ったものではない。

四の一の4)について

 お尋ねのような募集方法の工夫については、案件の性格に応じ、今後検討してまいりたい。

四の一の5)について

 お尋ねのような資料の公開の方法については、今後、著作権等に係る意見募集やパブリック・コメントを実施するに当たり、改善方策を検討してまいりたい。

四の二の1)について

 法制問題小委員会が「委員等個人ないし委員等が代弁する特定業界の要望を実現する場ではない」ことは御指摘のとおりであるが、各委員の見識に基づく個別の意見の当否について、政府としてお答えすることは差し控えたい。

四の二の2)について

 法制問題小委員会における審議を進めるに当たっては、議事運営の効率化を図るため、事務局において検討課題を整理し、審議の参考に供することが必要であると考えている。
 文化庁としては、このような観点から、各委員が提出した意見を基本としつつ、各意見等を参考材料としながら、法制問題小委員会の主査と相談の上、著作権法に関する今後の検討課題の素案を作成し、平成十六年十一月二十六日に開催した第四回法制問題小委員会において提示したところであり、今後、審議の過程において、各委員の意見及び見識によって、具体的な検討課題が整理されることとなると考えている。

四の二の3)について

 本件意見募集に対して提出された意見は、これを取りまとめ、御指摘の第三回法制問題小委員会開催日の前日付けで各委員に送付したところであり、平成十七年一月に予定している第六回法制問題小委員会まで引き続き行われる審議の過程において、各委員の意見及び見識によって、著作権法に関する今後の具体的な検討課題が整理される中で、考慮されることとなると考えている。
 なお、御指摘の第三回法制問題小委員会における出席者からの批判は、本件意見募集に対して提出された意見の取扱いに関して言及されたものではなく、議事運営の効率化の観点から各委員が提出した意見をあらかじめ各委員に送付すべきであるとの趣旨のものであったと承知している。

五について

 著作権の分野は、政府が一体となって推進している知的財産戦略の重要な位置を占めており、コンテンツの創造、保護及び活用の促進等による「知的財産立国」の実現を通じて、我が国経済社会の再活性化を図る観点から著作権法の改正に取り組み、著作物の適切な保護と活用を図ることは、文化庁の設置目的を逸脱するものではなく、また、特定業界の保護を行っているものでもないと考えている。お尋ねのような著作権課長の発言をもって、直ちに著作権法の基本理念や文化庁の設置目的を逸脱するとは考えていない。



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