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答弁本文情報

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平成十六年十二月十四日受領
答弁第八〇号

  内閣衆質一六一第八〇号
  平成十六年十二月十四日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員山井和則君提出立法行為に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山井和則君提出立法行為に関する第三回質問に対する答弁書



一、二及び四について

 先の答弁書(平成十六年十一月十九日内閣衆質一六一第三七号)一から四まで及び六についてで述べたとおり、憲法上、内閣は、法律の公布について責任を負い(第三条及び第七条第一号)、また、法律を誠実に執行することを職務としている(第七十三条第一号)ことから、実質的な法規範の内容と法文の表記との間に形式的な齟齬があることが客観的に明らかであると判断される場合に、法文の表記を速やかに実質的な法規範の内容に即したものに訂正し、それを国民に広く知らせることは、内閣の責務であるということができ、従来から、これを内閣においてその判断により「正誤」の官報掲載によって行うことが慣例上認められてきているところである。御指摘の「条文を追加する」行為についても、右の場合に、内閣において法文の表記を実質的な法規範の内容に即したものに「正誤」の官報掲載の形式により訂正するものであれば、実質的な法規範の内容を変更するものではなく、憲法第四十一条の「立法」に当たる行為ではないと考える。

三について

 「正誤」の官報掲載の中で「条文の追加」を内容とする訂正を行った例としては、平成十六年七月二十七日官報において、国民年金法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百四号)の公布を行った同年六月十一日官報号外第百二十四号について、その五十ページ下段二十二行目と二十三行目の間に同法の第二十条の二を加えるとともに、その五十一ページ下段十六行目と十七行目の間に同法の第二十三条の二を加えたものがある。これらは、ある条項を改正したにもかかわらず、当該条項を引用している他の条項にその改正を正しく反映させておらず、実質的な法規範の内容と法文の表記との間に形式的な齟齬が生じていることがこれらの条項の趣旨に照らして客観的に明らかであることから、法文の表記を実質的な法規範の内容に即したものに訂正したものである。

五について

 御指摘のような事案については、条文甲を改正したにもかかわらず、条文甲を準用する条文乙にその改正を正しく反映させておらず、実質的な法規範の内容と法文の表記との間に形式的な齟齬が生じていることがこれらの条文の趣旨等に照らして客観的に明らかである場合に、法文の表記を実質的な法規範の内容に即したものに訂正するためであるときは、「条文乙が準用する内容を条文甲の第一項とする改正法の条文」の追加を内容とする「正誤」の官報掲載を行い得ると考える。



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