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平成十七年三月十一日受領
答弁第二六号

  内閣衆質一六二第二六号
  平成十七年三月十一日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員赤嶺政賢君提出沖縄県における待機児童解消の諸施策と認可外保育施設の対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員赤嶺政賢君提出沖縄県における待機児童解消の諸施策と認可外保育施設の対策に関する質問に対する答弁書



一の1について

 御指摘の沖縄県における「潜在的待機児童」が何を指すのか明らかではないが、沖縄県における待機児童(児童福祉法施行規則の一部を改正する省令(平成十五年厚生労働省令第百三十号)による改正後の児童福祉法施行規則(昭和二十三年厚生省令第十一号)第四十条第一号に規定する保育の実施の申込みを行った保護者の当該申込みに係る児童であって保育の実施が行われていないものをいう。以下同じ。)の実態については、その数が平成十六年十月一日現在で二千九百三十五人に上っていることから、保育サービスの更なる充実を図ることが求められている状況であると認識している。

一の2並びに二の2及び3について

 待機児童の解消については、平成十三年七月六日に閣議決定した「仕事と子育ての両立支援策の方針について」による待機児童ゼロ作戦を推進している。なお、平成十七年度からは、平成十六年六月四日に閣議決定した「少子化社会対策大綱について」や同年十二月二十四日に少子化社会対策会議が決定した「少子化社会対策大綱に基づく重点施策の具体的実施計画(子ども・子育て応援プラン)」に基づき、その早期解消に取り組んでいくこととしている。また、保育サービスについては、児童の健全な育成のために必要な保育水準を確保するため、児童福祉施設最低基準(昭和二十三年厚生省令第六十三号)に規定する基準を満たす児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第三十九条第一項に規定する保育所(以下「認可保育所」という。)において実施されることが基本であると考えており、比較的良質な認可外保育施設の認可保育所への転換を図るための施策として、平成十四年度から、転換に向けて保育内容の指導等を市町村が行うために必要な経費の一部について助成を行っているところである。
 特に沖縄県に対しては、右に述べた対策に加えて沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)第百五条第一項及び沖縄振興特別措置法施行令(平成十四年政令第百二号)第三十八条第一項の規定に基づき、認可保育所の整備に係る負担金及び補助金について他の地域よりも国の負担及び補助の割合を高くする措置を講じているところである。なお、当該負担金及び補助金については、平成十七年度からこれまでの措置を参酌した交付金に改める内容を含む沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案を今国会に提出している。
 沖縄県における保育対策については、今後とも、沖縄県の保育対策の担当部局の相談に応じつつ、沖縄県における認可保育所の整備状況等の事情を踏まえて、保育需要に対応した保育サービスの更なる充実を支援してまいりたい。

一の3について

 待機児童の解消については、待機児童ゼロ作戦に基づき受入れ児童数の増加を図っており、全国においては、平成十四年度に約五万四千人、平成十五年度に約五万八千人の受入れ児童数の増加が図られたところである。一方、保育需要も増大しており、平成十四年四月一日に二万五千四百四十七人であった待機児童数は、平成十六年四月一日現在二万四千二百四十五人となっている。
 沖縄県においては、平成十四年度に約二千八百人、平成十五年度に約三千二百人の受入れ児童数の増加が図られたところである。一方、保育需要も増大しており、平成十四年四月一日に千六百二十一人であった待機児童数は、平成十六年四月一日現在二千二百四十六人となっている。

二の1について

 認可保育所に関し、各都道府県別のそれぞれの入所児童数及び施設数は、厚生労働省統計情報部社会統計課の「福祉行政報告例」の月報で公表しているところである。また、公立保育所及び認可外保育施設に関し、各都道府県別のそれぞれの入所児童数及び施設数は、別表のとおりであり、認可保育所に入所している平成十六年四月一日現在の児童数に対する認可外保育施設に入所している平成十六年三月三十一日現在の児童数の割合について算出すると、全国平均は〇・〇九であり、沖縄県は〇・九九である。

二の4及び5について

 認可外保育施設については、「認可外保育施設に対する指導監督の実施について」(平成十三年三月二十九日付け雇児発第百七十七号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)の別添「認可外保育施設指導監督基準」(以下「指導監督基準」という。)を満たしていない施設がいまだに数多く見られることや、待機児童が存在し、認可外保育施設を利用せざるを得ない児童が多数存在することを踏まえ、認可外保育施設に対してより効果的な指導監督の実施を図る観点から、「認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書交付要領」(平成十七年一月二十一日付け雇児発第〇一二一〇〇二号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)において、指導監督基準を満たしていると認められる施設に対し、都道府県知事、政令指定都市市長又は中核市市長がその旨を証明する証明書(以下「証明書」という。)を交付する際の要領について通知したところである。
 認可保育所の保育料については、現在、消費税が非課税とされており、証明書の交付を受ける認可外保育施設については、認可保育所に準じた一定の保育サービスを提供する施設であることが明らかになることから、平成十七年度税制改正において、その利用料に係る消費税を非課税とすることとしたところである。
 本非課税措置は、証明書の交付事務が円滑に実施されることが前提であり、その具体的な実施時期については、証明書の交付事務の実施状況を見極めて決定することとしている。

二の6について

 沖縄県の保育対策の担当部局からは、現在、沖縄県においては、証明書の交付等に係る必要な準備を進めているところであり、現時点では、証明書の交付対象になる施設の総数については把握していないと聞いている。

二の7及び8について

 児童の安全確保等の観点からは、保育サービスについて一定の水準を確保することが不可欠であると考えている。今般の認可外保育施設の利用料に係る消費税の非課税措置については、認可保育所に準じた一定の保育サービスを提供する施設について行うものであり、指導監督基準を満たしていない認可外保育施設にまでその対象範囲を広げることには問題があると考えている。
 政府としては、沖縄県における保育サービスの充実に向けて、今後とも沖縄県と十分な連携を図り、比較的良質な認可外保育施設の認可保育所への転換を図る施策を推進するとともに、「少子化社会対策大綱について」や「少子化社会対策大綱に基づく重点施策の具体的実施計画(子ども・子育て応援プラン)」に基づき認可保育所の整備等を行ってまいりたい。


(別表)


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