答弁本文情報
平成十七年五月三十一日受領答弁第六四号
内閣衆質一六二第六四号
平成十七年五月三十一日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員赤嶺政賢君提出大牟田労災病院の再編等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員赤嶺政賢君提出大牟田労災病院の再編等に関する質問に対する答弁書
一から三までについて
労災病院については、「特殊法人等整理合理化計画について」(平成十三年十二月十九日閣議決定)により、「労災疾病について研究機能を有する中核病院を中心に再編し、業務の効率化を図る。この再編の対象外となる労災病院については廃止することとし、地域医療機関として必要なものは民営化又は民間・地方に移管する。」こととしたところである。
これを踏まえ、労災病院については、労災疾病に関する予防から治療、リハビリテーション、職場復帰に至る一貫した高度かつ専門的な医療において中核的役割を担うものと位置付け、こうした役割を適切に果たし得るよう機能の再編強化を図るため、厚生労働省において「労災病院の再編計画」(以下「再編計画」という。)を平成十六年三月三十日に策定したところである。
再編計画においては、各労災病院の診療・研究機能、経営の収支状況、地域的配置状況等の要素を総合的に勘案して、統廃合する病院を決定したものであり、大牟田労災病院についても、経営の収支状況の観点のみから廃止を決定したものではない。
また、大牟田労災病院の専門医やスタッフについては、患者に対する診療が適切に行われるよう、患者数に応じて必要な人員が確保されてきたところであり、診療・研究機能を低下させる政策をとってきたものではない。
政府は、一酸化炭素中毒患者が安心して継続的に診療を受けられるよう、必要な措置を講ずることが求められていると考えており、大牟田労災病院の廃止に当たっては、同病院が昭和三十八年十一月に三井三池炭鉱三川鉱で起こった炭塵爆発災害により発生した多数の一酸化炭素中毒患者の治療と社会復帰を図るための専門病院として設置された経緯及び炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法(昭和四十二年法律第九十二号。以下「措置法」という。)の規定を踏まえ、同病院廃止後、入院又は通院している一酸化炭素中毒患者に対するリハビリテーションを含む診療を適切に行い得る医療機関にその診療を委託し、これらの患者に対するリハビリテーションを含む診療を適切に行い得る施設を確保することにより、その療養に支障を来すことがないよう対応することとしているため、同病院を廃止の対象とすることは、措置法に反するものではないと考えている。
大牟田労災病院に入院又は通院している一酸化炭素中毒患者の症状は様々であり、これらの症状が高次脳機能障害に該当するかどうかについては、個別の診断によるものと考えている。
一から三までについてで述べたように、各労災病院の診療・研究機能、経営の収支状況、地域的配置状況等の要素を総合的に勘案して再編計画を策定し、大牟田労災病院を廃止することとしたところであり、同病院の存続を前提とした医療体制の整備や診療・研究機能の拡充は考えていないが、入院又は通院している一酸化炭素中毒患者に対する今後の診療については、リハビリテーションを含む診療を適切に行い得る医療機関に委託することにより、引き続き確保されるよう対応してまいりたい。