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平成十九年三月九日受領
答弁第九五号

  内閣衆質一六六第九五号
  平成十九年三月九日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員保坂展人君提出原子力の平和的利用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出原子力の平和的利用に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねの「原子力協力協定」の意味が必ずしも明らかではないが、我が国と相手国との間の核物質等の移転その他の協力を行うための法的枠組みを定める原子力平和的利用協力協定としては、英国、欧州原子力共同体、オーストラリア、カナダ、中国、フランス及び米国との協定がある。なお、御指摘の原子力の平和的利用における協力に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定(平成三年外務省告示第三百十五号。以下「日露原子力協力協定」という。)は、核物質等の移転を行うための法的枠組みではなく、情報交換等の協力について定めたものである。

二について

 我が国と南アフリカ共和国、ナミビア及びニジェールとの間には、協定、覚書、交換公文等の原子力協力に関する政府間の文書は存在しない。

三の(1)から(3)までについて

 我が国が核爆発装置を爆発させること等により原子力平和的利用協力協定に違反することはおよそ考えられないことから、仮定の御質問に対する答弁は差し控えたい。

三の(4)について

 御指摘の協定においては、御指摘の知的財産は、返還要求又は補償の対象となっていない。

三の(5)について

 御指摘の協定においては、英国又はフランスの事前同意は不要である。

三の(6)について

 御質問の趣旨が必ずしも明らかではないが、六ヶ所再処理工場は、フランスの支援を得て建設されたものであり、再処理に係る技術及び日仏間で合意される設備等は、原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定(昭和四十七年条約第九号。以下「日仏原子力協力協定」という。)の対象である。六ヶ所ウラン濃縮工場及び高速増殖炉「もんじゅ」は国産のものであるが、極めて多くの資機材から構成されているため、我が国が締結している原子力平和的利用協力協定に基づいて外国から移転された資機材が含まれているか否か及びその量を直ちに明らかにすることは困難であるが、当該協定に基づいて移転された資機材については、当該協定の適用を受け、協議することができる。

三の(7)について

 御指摘の協定上、カナダ政府は、プルトニウムの返還又は補償を我が国政府に対して要求する権利は有していない。お尋ねの使用済核燃料の有無については、承知していない。

四について

 御質問の趣旨が必ずしも明らかではないが、我が国にある原子炉等の設備のうち、原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(昭和六十三年条約第五号。以下「日米原子力協力協定」という。)の対象となっていないものがいずれであるかを直ちに明らかにすることは困難であるが、同協定に基づいて移転されたものについては、同協定の適用を受け、協議することができる。

五の(1)について

 ウェスチングハウス・エレクトリック・カンパニー(以下「WH社」という。)が所有する原子炉等の製造に関する技術を使用する権利の株式会社東芝への譲渡に関して、米国議会及び英国議会の承認を求めるような制度にはなっていないと承知している。

五の(2)及び(4)について

 お尋ねの米国政府の承認が必要となるか否かについては、米国の国内法令によるものであり、我が国として判断する立場にはない。

五の(3)について

 御質問の趣旨が必ずしも明らかではないが、お尋ねの原子炉が既に日米原子力協力協定の対象である場合には、WH社が株式会社東芝の傘下に入った後も、引き続き同協定の対象となる。

五の(5)について

 東芝・WH社の米国子会社が米国で生産した原子炉等を第三国に供給する場合には、日本が当該第三国との間で原子力平和的利用協力協定を締結している必要はない。

六について

 御指摘の協議については、開始されておらず、また、開始時期は、未定である。

七について

 日露原子力協力協定は、千九百九十一年に締結されて以降、その内容に変更はない。

八について

 ロシア政府との関係等もあり、答弁は差し控えたい。

九の(1)について

 御指摘の協定は、ウラン濃縮役務について規定していない。

九の(2)について

 千九百九十九年の東京電力株式会社とテクスナブエクスポート社とのウラン濃縮役務契約に係る外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第二十五条第三項に基づく役務取引許可の申請年月日は平成十一年九月二十九日であり、当該申請に係る通商産業大臣の許可年月日は同年十月十四日である。
 また、二千一年のウラン濃縮役務契約に係る外国為替及び外国貿易法第二十五条第三項に基づく役務取引許可の申請年月日は平成十四年一月十六日であり、当該申請に係る経済産業大臣の許可年月日は同年二月四日である。

九の(3)について

 日露原子力協力協定は、ロシアの事前同意権について規定していない。

九の(4)について

 お尋ねについては、承知していない。

九の(5)について

 お尋ねについては、承知していない。なお、ロシアにおける再転換については、同国が一定の設備を有していることは承知しているが、その詳細は承知していない。

九の(6)について

 お尋ねについては、承知していない。

九の(7)について

 お尋ねの再転換に係る外国為替及び外国貿易法第二十五条第三項に基づく役務取引許可の申請年月日は平成十二年五月二十九日であり、当該申請に係る通商産業大臣の許可年月日は同年六月七日である。

十について

 二千六年八月二十八日に作成された原子力の平和的利用の分野における協力の促進に関する日本国政府とカザフスタン共和国政府との間の覚書(以下「日カザフスタン覚書」という。)にいう「より高い加工レベル」のウラン製品とは、ウラン鉱自体のみならず、精製等の加工を加えたウラン製品を指す。

十一の(1)について

 回収ウランの再転換は、日カザフスタン覚書に記述されている「核燃料加工役務」に該当する。

十一の(2)及び(3)について

 お尋ねについては、承知していない。

十二について

 御質問の趣旨が必ずしも明らかではないが、二国間の原子力平和的利用協力協定に基づいて外国から移転された天然ウランの濃縮の過程で生じた劣化ウランについては、当該協定の適用を受け、協議することができる。

十三について

 東海再処理工場で回収され、保管しているウランの量は金属ウラン換算で七十一万八千百七十六キログラム(平成十八年十二月三十一日現在)であると承知している。また、御質問の趣旨が必ずしも明らかではないが、二国間の原子力平和的利用協力協定に基づいて外国から移転された核物質から得られた回収ウランについては、当該協定の適用を受け、協議することができる。

十四について

 東海再処理工場で回収されたウランのうち金属ウラン換算で三十四万九千六百五十三キログラムが人形峠の濃縮施設において濃縮され六万四百十五キログラムの濃縮ウランが製品として電気事業者に対して引き渡されたと承知している。これらの濃縮ウランについては、平成十七年三月末までに、装荷された時期、その原子炉名及び体数は、次のとおりと承知している。
 昭和六十二年、福島第一原子力発電所三号機、四体
 平成五年、福島第二原子力発電所一号機、二十四体
 平成三年、大飯発電所二号機、二十体
 平成十五年、高浜発電所一号機、二十四体
 平成十五年、伊方発電所三号機、十二体
 平成十四年、敦賀発電所二号機、二十四体
 平成十七年、川内原子力発電所二号機、十二体
 東海再処理工場で回収されたウランにより製造された体数の総数並びにこれらの照射された核燃料の保管及び処理の状況については、承知していない。

十五について

 御質問の趣旨が必ずしも明らかではないが、二国間の原子力平和的利用協力協定に基づいて外国から移転された核物質から得られた回収ウランについては、当該協定の適用を受け、協議することができる。

十六について

 御質問の趣旨が必ずしも明らかではないが、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定(平成十年条約第十三号)又は日仏原子力協力協定に基づいて我が国より移転された核物質から得られた回収ウランについては、これらの協定の適用を受け、協議することができる。

十七及び十八について

 お尋ねの「これらの協定、覚書、交換公文」が具体的に何を指すか必ずしも明らかではないが、人形峠の施設において、海外から受け入れた八酸化三ウランの輸入元及び金属ウラン換算での量は、次のとおりと承知している。
 オーストラリア、四万九千九百八十八キログラム
 カナダ、五万七千八百十キログラム
 中国、六万三千百七十六キログラム
 平成十七年度以降、六ヶ所ウラン濃縮工場に移転された八酸化三ウランはないと承知している。

十九及び二十について

 お尋ねの「これらの協定、覚書、交換公文」が具体的に何を指すか必ずしも明らかではないが、平成十七年度以降、日本国内の燃料加工工場に移転された天然六フッ化ウランの荷送人及び八酸化三ウラン換算での量は、次のとおりと承知しているが、転換事業者名については承知していない。
 カメコ社、七十四万四千四百七十六キログラム
 コミュレックス社、七千二百十八キログラム

二十一について

 お尋ねについては、承知していない。



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