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平成十九年六月二十二日受領
答弁第三八六号

  内閣衆質一六六第三八六号
  平成十九年六月二十二日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員保坂展人君提出河川整備基本方針及び河川整備計画の策定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出河川整備基本方針及び河川整備計画の策定に関する質問に対する答弁書



一の1について

 お尋ねの「具体的な期間と費用総額」については、見積もっていない。

一の2について

 多摩川水系河川整備計画においては、「流域内の洪水調節施設の設置についても調査・検討を行う」こととされており、具体的な洪水調節施設の整備の方法等については、今後検討することとしている。

二の1及び2について

 球磨川水系河川整備基本方針に定める「流域内の洪水調節施設」の具体的な整備の方法等については、今後、球磨川水系に係る河川整備計画の策定過程において検討することとしており、同河川整備基本方針において、治水対策を川辺川ダムに限定しているものではない。なお、一級河川球磨川水系球磨川(以下「球磨川」という。)の人吉地点等における現状の流下能力は、同河川整備基本方針に定める計画高水流量との間に乖離があるため、同河川整備基本方針において、治水対策としての河川改修が必要であることを定めている。

二の3及び4について

 既設の固定堰により、その上流部で洪水時の水位が上昇する等の治水上の支障が生じるため、吉野川水系河川整備基本方針においては、「治水上支障となる既設固定堰については、必要な対策を行い、計画規模の洪水を安全に流下させる」としているところであるが、この「必要な対策」については具体的に定めていない。当該「必要な対策」については、吉野川水系に係る河川整備計画の策定過程において検討することとしており、この過程において必要があると認めるときは、関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じることとしている。

三について

 森林の保水力については、必要に応じて、検討すべきものと認識している。

四について

 社会資本整備審議会河川分科会(以下「河川分科会」という。)及び河川分科会河川整備基本方針検討小委員会(以下「小委員会」という。)における球磨川水系河川整備基本方針の審議においては、住民団体から提出された意見書の配付並びにその主な内容の紹介及び議論が行われており、当該意見書は真摯に受け止められたものと認識している。

五について

 国土交通大臣が河川整備基本方針を定めようとするときは、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第十六条第三項の規定に基づき、社会資本整備審議会の意見を聴かなければならないこととされているが、これは、河川整備基本方針が、治水安全度の全国バランス等を考慮しつつ、長期的な観点に立って定める目標であり、その内容の客観性及び公平性を確保する必要があることから、河川について専門的知見を持った高度に学識経験を有する者等から構成される同審議会の意見を聴いて定めることとされているものである。
 このため、河川分科会及び小委員会(以下「河川分科会等」という。)における河川整備基本方針についての審議においては、住民団体等から審議事項に関する意見書の提出があった場合には、原則として、各委員等に配付した上で審議を行うこととし、また、河川分科会等については、関係する専門分野の委員等ができる限り多く出席して審議ができること、効率的な会議運営が可能であること等の観点からその開催場所を決定することとしている。したがって、御指摘の「意見書を提出した住民団体及び傍聴者の発言を認めるべき」こと及び「当該流域の存する県庁所在地あるいは流域近辺の交通至便な地において開催されるべき」こととは考えていない。

六の1について

 御指摘の「審議会等の運営に関する指針」(「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」(平成十一年四月二十七日閣議決定)別紙3。以下「運営指針」という。)は、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条並びに内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第三十七条及び第五十四条の審議会等(以下「審議会等」という。)を対象としている。このうち、国家行政組織法第八条に定めるものは、同法第三条の国の行政機関に、法律又は政令の定めるところにより設置される合議制の機関である。
 河川分科会は、国土交通省設置法(平成十一年法律第百号)第六条第一項の規定に基づき国土交通省本省に置かれた社会資本整備審議会に、社会資本整備審議会令(平成十二年政令第二百九十九号)第六条第一項の規定により置かれた合議制の機関であり、審議会等に該当することから、河川分科会には、運営指針が適用される。
 しかしながら、小委員会は、河川分科会の内部規則である社会資本整備審議会河川分科会運営規則第一条に基づき、河川分科会長が設置したものであることから、審議会等には該当せず、したがって、小委員会には、運営指針は適用されない。

六の2について

 お尋ねの「時間的余裕」がどの程度なのか定かではないが、河川分科会等の会議開催については、原則として、一週間前には公表を行っている。

六の3について

 河川分科会等には、御指摘の「意見聴取に係る申出又は審議会等に関する苦情」(以下「申出等」という。)は寄せられており、寄せられた申出等については、必要に応じ、会議の場において各委員等に配付し、その概要を報告するなど適時適切に対応しているところである。ただし、申出等は、文書のみならず、電話、インターネット等様々な方法によって行われており、その件数については、正確に把握することが困難であるため、お答えすることは困難である。

七について

 小委員会の委員については、河川分科会長が、専門的事項について調査させるため、河川分科会に属する委員等のうちから、河川工学、都市計画、環境、利水等各分野の専門的知識、経験等を有する者を指名している。

八の1から3までについて

 御指摘の「審議会等の透明化、見直し等について」(平成七年九月二十九日閣議決定。以下「平成七年閣議決定」という。)は、審議会等を対象としており、六の1についてで述べたとおり、河川分科会は審議会等に該当することから、河川分科会には平成七年閣議決定が適用され、また、六の1についてで述べたとおり、小委員会は審議会等に該当しないことから、小委員会には平成七年閣議決定は適用されない。このため、お尋ねの「同小委員会において、「省庁出身者等」が約三分の一も占めている状態」及び「建設省河川局長、建設省技監を経て退官した近藤徹氏を基本方針検討小委員会の小委員長としていること」が、平成七年閣議決定又はその趣旨に反することにはならないものと考える。

八の4について

 審議会等の委員等については、平成七年閣議決定等に沿って、各審議会等を所管する各府省においてそれぞれ適切に任命がなされるべきものであると考えている。

八の5について

 平成十九年四月一日現在における百十四の審議会等の委員等におけるお尋ねの「省庁出身者等」の数は、会長等は五人、委員は六十二人である。

九の1及び2について

 国土交通大臣が河川法第十六条の二第一項に規定する河川整備計画を定める権限については、同法第九十八条及び河川法施行令(昭和四十年政令第十四号)第五十三条第一項の規定により地方整備局長及び北海道開発局長(以下「地方整備局長等」という。)に委任されている。
 国土交通省本省においては、河川整備計画に関し、地方整備局及び北海道開発局(以下「地方整備局等」という。)から、その策定状況の報告、内容の相談等を受けている。また、地方整備局等に対し、当該計画の策定に当たっては住民等に分かりやすい内容となるよう工夫を行うべきこと等の指導を行っている。

九の3について

 河川整備計画の策定に当たり、地方整備局長等は、河川法第十六条の二第四項に規定する関係住民の意見を反映させるために必要な措置を適切に講じているものと認識しており、国土交通大臣から地方整備局長に対し、指示をする必要はないと認識している。

十について

 河川法第十六条の二第三項及び第四項に規定する河川に関し学識経験を有する者の意見聴取及び関係住民の意見を反映させるために必要な措置の具体的な方法については、地域の実情等を踏まえ、地方整備局長等が適切に判断するものである。

十一の1について

 御指摘の「第十堰」の対策の在り方については、可動堰以外の方法についても検討し、評価を行うこととしている。

十一の2について

 吉野川水系に係る河川整備計画の策定に当たっては、河川法第十六条の二第四項に規定する関係住民の意見を反映させるために必要な措置を適切に講じているものと認識している。

十一の3について

 御指摘の「NPOや徳島市の研究提言」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、吉野川流域ビジョン21委員会が取りまとめた「吉野川可動堰計画に代わる第十堰保全事業案と森林整備事業案の研究成果報告書」(平成十六年三月)については、国土交通省四国地方整備局において承知しており、一級河川吉野川水系吉野川における河川整備の在り方についての様々な意見のうちの一つであると認識している。

十一の4について

 御指摘の「第十堰」の対策の在り方については、これまでに、国土交通省四国地方整備局において、当該堰の変状調査、空洞化調査、取付部構造調査等を行ったところである。また、平成十九年度以降には、出水時における水位観測、堰下流の河床形状調査等を行う予定である。今後、これらの調査等の結果が整理された段階で、御指摘の「第十堰についての検討の場」を設置する予定であるが、その運営方法、設置予定時期等については現在のところ未定である。

十二の1及び2について

 「くまがわ・明日の川づくり報告会」(以下「報告会」という。)の開催は、河川分科会等及び熊本県知事からの要請を踏まえ、球磨川水系河川整備基本方針に係る説明責任を果たすために、国土交通省の責任において実施している方策の一つである。報告会の日時、場所等については、熊本県にあらかじめ連絡しているところである。なお、熊本県知事からは、「国土交通省は自らの責任において、(中略)早急に説明の時期や手法を明らかにした上で、県民に対して御説明いただきますよう要請します。」との要請を文書により受けているところである。

十二の3及び4について

 報告会の配付資料である「球磨川水系河川整備基本方針の内容及び同方針の審議経過について」において、「小委員会の審議概要」、「小委員会での主な意見」等の項目の中に熊本県知事の意見を記載しているとともに、「小委員会に寄せられた意見書等について」の項目を設けているところである。

十二の5について

 御指摘の「同分科会若しくは同小委員会に意見書を提出した住民」が、報告会に出席し、質疑応答に参加することは可能である。したがって、当該住民の参加を求め、意見表明の機会を設ける必要はないと考えている。

十二の6について

 「球磨川に関するアンケート調査」は、球磨川に関する関係住民の意見等を広く聴くために実施しているものであるが、球磨川水系に係る河川整備計画の検討に当たって活用することはあり得るものと考えている。なお、同整備計画の策定に当たっては、別途、河川法第十六条の二第四項に基づく関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じることとしている。

十二の7から9までについて

 球磨川水系河川整備基本方針の策定に係る事務については、国土交通省設置法第三十一条第一項の規定に基づき、国土交通省九州地方整備局がその一部を分掌している。このため、報告会は、同局が主体となって実施しているものである。

十二の10について

 報告会は国土交通省の責任において実施しているものであり、国土交通省としては、球磨川水系河川整備基本方針の策定に当たって意見を聴いた分科会長等に出席を求めるべきものではないと考えている。

十三について

 小委員会の近藤委員長が、「現在においても国土交通省河川局の職員人事及び政策決定に非公式な影響力を及ぼしている」という事実はないものと認識している。また、お尋ねの「河川局の職員人事及び政策決定に非公式な影響力を及ぼしている省庁出身者等」もいないものと認識している。



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